51 あーん、あーん、あーん、あーん ◥(ฅº₩ºฅ)◤
『あーん、あーん』
またビッチがビービー泣いている。
だけど。
この日からだった。
ビッチの泣き声に恐怖を覚えたのは。
『あーん、あーん(ククク。ボッチよ。キサマが何を考えようが無駄だ。俺様の知力は99999999999999だ。すべて軽く打破することができる)』
くそう!
俺のアイテムボックスがとんでもないことになってきた。
『あーん、あーん(ククク。そして今日もビッチを浸食してやっている)』
や、やめろ!
これ以上、ビッチを食うな!!
『あーん、あーん(ククク。やめろと言われてやめる邪神がどこにいる)』
こうなったらオリジナルのルーンベルクを探すしかない……
だけどあの人は、今頃何処に……
『あーん、あーん(ククク。無駄だ。俺は奴を感じることができる。今、奴は地獄界だ。凡夫のキサマは死なぬ限りいけぬ場所だ。ククク)』
なんてことだ。
クソ!
何か手立てはないのか!!
『あーん、あーん!(ククク。アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!)』
とにかくビッチの知力を上げなくては。
賢くするにはどうすれば……
うーん、うーん、あ、そうだ!
俺は書店へ急ぎ、ビッチでも読めそうな本を購入してアイテムボックスにぶち込んだ。
「ビッチ、絵本だ! そいつを読め!! さすればちょっと知力が上がるぞ!」
『あーん、あーん(ご本なんて文字が面倒だから読みたくないよー!)』
「それはほとんど絵だ。文字はちょろっとしかない。だから我慢して読め!」
『あーん、あーん(ヤダー)』
「ヤダーじゃない! このままだとお前はもっとアホにされて、体が乗っ取られるぞ!」
『あーん、あーん!(ヤダー!)』
「泣くな! 我慢して読め!」
『あーん、あーん(ククク、ボッチよ。ビッチは無類の勉強嫌いだ。本など読まぬわ! ククク、アハハハハハ!!)』
くそったれ。
全部、あーん、あーん、と返せれるシュールな展開なのに、マジでやばいぜ。
何かよい手立てはないのか。
「おい、ビッチ。興味がある話を言え。好きな話題なら、読む気が起きるだろ! それをアイテムボックスにぶち込むから、お前が好きな話を教えろ!」
「あーん、あーん(俺のアイテムボックスに、ビッチな女の子をぶち込んでみました)」
それ、無理。
「あーん、あーん(俺のアイテムボックスに、ビッチな女の子をぶち込んでみましたが読みたいよー! 入れてよー!)」
それ、無理だから。




