4 俺はビッチをこき使う
このビッチ入りのアイテムボックスは凄いぞ。
なんたって、この中につっこんだモンスターが死んだら、その手柄は俺のものになるんだ。つまりビッチの手柄は俺の手柄、俺の手柄は俺の――という関係を築けた訳だ。
仮にビッチが負けても、それはそれでビッチの経験値が入ってくるという計算になる。
敵に遭遇しても『入れ!』と命じるだけでいいんだ。
もしかして、俺、超チートになってしまったのか?
とにかく俺はその辺を駆けまわり、ビッチ入りのアイテムボックスに次々とモンスターを投入していった。
すぐにモンスターは骨になって経験値が手に入る。
それにしてもビッチはよく食う。
フードファイターとしても戦えそうだ。
レベルはあっという間に10まで上がった。
【アイテムボックス】
破壊神 × 1
ゴブリンの骨 × 18
オークの骨 × 7
ワイバーンの骨 × 3
サイクロプスの骨 × 1
スライム × 6
スライムを投入して30分経つ。
スライムはいつまで待っても骨にならないし、経験値にもならない。
つまりビッチはスライムを食べることができないのか。
「おい、君。なんだよコレ。気持ち悪いもの入れるなよ。早く取り出してよ。服が溶かされちゃうよ」
もしかしてビッチはスライムには勝てないのか?
様子を見たいが、展開したら出てきてしまう。
「ああああん。ブラジャーまで溶かされちゃったよー。スライムが変なところに入ってきたー。パンツまで溶かしたらダメェェ。いやん。ああん」
……さすがビッチだ。
数多くのボッチを誑かしてきただけはある。
その手には乗るか。
俺は何秒でモンスターが骨になるかチェックしていた。
ワイバーンは、わずか15秒で骨になった。
つまりビッチの好物はワイバーン。
空を飛んでいるワイバーンの群れに向かって『入れ』と念じた。
「わーい。手羽先が来たー!」
しばらく大人しくなった。
ヒロト
レベル13
HP:52
MP:0
【アイテムボックス】
破壊神 × 1
ゴブリンの骨 × 18
オークの骨 × 7
ワイバーンの骨 × 12
サイクロプスの骨 × 1
スライム × 6