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俺のアイテムボックスに、ビッチな女の子をぶち込んでみました  作者: 弘松 涼
第一章 伝説は始まる……破壊神と創造神の物語
35/70

35 資金調達2

 手製の宝くじを手にして、光のパーティは資金調達に出向いて行った。


 勇者ルーンベルクは『少年よ。くれぐれもあまり民を泣かすではないぞ』と言って心配している。



 俺は台所で待機していた。

 最初に戻ってきたのはゴンザ達三人だった。

 いくら儲けたか聞いてみた所、どうもまったく駄目だったらしい。


「隊長。紙に適当に書いた宝くじなんて信用してくれませんでした」


 言っては悪いが、ゴンザ達はどう見ても悪党ズラだ。

 確かに信用してくれなかったのかもしれない。


 だけど、もしかして本当は自分の悪行ptを増やしたくなかっただけなのかもしれない。マジで売る気になれば何だってできると思う。

 なんともアテにならん連中だ。



 あとは爺さんとアリサだけか。

 爺さんは賢者の肩書がある。ちょっとは期待できるが、アリサはかなり難しいだろう。

 

 

 そんなことを考えていると、今度はアリサが帰ってきた。



「やっぱ駄目だったろ? 違う方法を考えようぜ」


「旅人さん、これを見てください」


 なんとアリサは銅貨がびっしり入った袋を持っていた。

 机に並べて数えてみたら300コロン(日本円換算:3万円)もあった。一枚いくらで売ったか知らんが、これは立派な犯罪だ。あんた、本当に悪女になっちまうよ?


 

「旅人さん。私、頑張ってたくさん売りましたわ。でも悪行ptが増えませんでした」と悲しそうに言った。



 な、なんと!?



「実は私、耐え切れなくなり、購入しに来た人全員に正直に当たりがないことを教えてさしあげました。その代り、このチケットを購入した客様に良いことがあるように心からお祈りを捧げました。そうしたら……それを見ていた気前のいいおじさま方が買ってくださったのです。すいません。悪女を目指すと誓ったのに、悪行ptはまったく増えませんでした……」



 そっか。

 いいんよ、もう。



 夕方になっても爺さんは戻ってこなかった。

 なんてこった。

 もしかして迷子になったのか?


 夜通し、手分けをして探したがとうとう見つからなかった。


 こうしている間にもビッチが、勇者をガリガリ食っている。勇者ルーンベルクの寿命は刻一刻と迫っているのだ。


 アリサは心配しているが、俺達は出発を余儀なくされた。


 閻魔打倒の熾烈な旅で、早くも一人の犠牲者を出してしまった。

 前途多難の予感を感じずにいられない。




 所持金 300コロン(3万円)


【アイテムボックス】

 紐パンをはいた破壊神 × 1

 邪神像 ×  290/300

 スライム × 1/6

 犬の骨 × 56

 排泄物 × 3



【リタイヤ】

 賢者――名無しの爺さん。

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