32 ビッチの性能
ここはゴンザ宅の台所。
俺は、光のパーティに召集をかけている。
アリサは爺さんを、ゴンザはシャーマンと召喚士を呼びに行った。
皆が集まるまで、改めてビッチの性能を確認していく。
【ビッチ】
性別:メス
年齢:不詳
・「おっぱいを見せてあげるからね」とかいうビッチネタでボッチ系男子を騙そうとする
・困ったらビービー泣く
・食欲旺盛
すきなもの、チキン系
きらいなもの、スライム
ここからが肝心なところだが――
名前を知った相手に呪いをかけて、動きを操ることができる。
実名ではなく、ニックネームのたぐいでもOKなようだ。
なんとも恐ろしいスキルではあるが、どうもその精度が曖昧なのである。
俺を『旅人さん』と呼んでいるアリサに、『暗黒神』や『隊長』と呼ぶゴンザ。ルーンベルクは『魔神狩りの少年』、そんでもってビッチは俺の事を『ボッチ君』と呼んでいるが、それはニックニームには該当しないのだろうか。
何も起きないってことは、大丈夫ってことには違いないが、つまり、不特定多数を連想させる総称や役職は、問題がないということなのだろうか。
ルーンベルクに聞いてみたら、どうもそのようだった。
『――少年よ、最悪、もし君の名前をビッチに知られたら、すぐにモンスターを送り込め。ビッチは食事に夢中になると記憶の大半を失う』
ありがとう、ルーンベルク。
やはりビッチは知能が低いようだ。
ビッチは、俺達の会話に気づいたようだ。
『お兄ちゃんが私の弱点を教えちゃったよー。あーん、あーん』
【アイテムボックス】
破壊神 × 1
邪神像 × 293/300
スライム × 1/6
犬の骨 × 56




