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俺のアイテムボックスに、ビッチな女の子をぶち込んでみました  作者: 弘松 涼
第一章 伝説は始まる……破壊神と創造神の物語
26/70

26 ビッチの過去1

 ビッチは犬が怖いと口にしているからといって、安易にアイテムボックスに入れてはならない。

 とんでもない化学反応を起こすかもしれないからだ。



 夢のお告げ通り、ビッチがパワーアップしやがったらどうなるんだ!?

 勇者ルーンベルクの寿命が、更に減っちまうじゃねーか。



 ビッチの特性を知る為にも、ルーンベルクにビッチの過去を教えてもらいたいが、その事を本人の耳に入れる訳にはいかない。いつもやっている要領で脳波による会話をしたい訳なのだが、いくら頑張ってみても、どうもこちらから接続ができないようなのだ。


 仕方ないので、ルーンベルクが話しかけてくるのを待った。


 なんだかアリサが妙な事を言っていたので、出来るだけ事を急ぎたい。

 


 焦燥だけが募る。

 

 

 だってアリサは言ったのだ。

 

 ――悪い子になりますから……と。

 

 

 アリサは聖女のように心の澄んだ子だ。

 なんとしても、悪の道にだけは進ましたくない。

 

 

 その後に『あなた好みのビッチを目指しますから』と続けた。

 

 

 少々頑張ったところで、ビッチのような破壊神にはなれないのだ。

 それに俺、ビッチのこと嫌いだし。

 

 

 いや――

 どうもしっくりこない。

 なんだか俺は、スゲー勘違いをしているような気がする。

 

 

 俺は『良い事』と言ったつもりだった。

 だけど、アリサは、

 良いこ、と――と、『こ』と『と』の間を一度切ったのだ。

 

 なんか別の意味に聞こえてならない。

 

 

 

 良い子とできない。

 

 

 確かにそう聞こえた。

 

 

 

 

 だからアリサは、悪い子を目指すと言ったのか?

 

 できるって何が!?

 

 ぐぅ。

 頭が痛い。




『お水、マダー?』


 こいつ、まだ起きてやがるのか?


 

「おい、ビッチ。俺達の会話聞いていたんだろ? 教えろ。俺は何か重大な勘違いしているのか?」


『色々えろえろ』

 

 

 やはりビッチだ。

 何を言っているのか、さっぱり意味が分からん。

 聞いた俺が間違いだった。

 

 

 

 

 明け方近く、ようやく勇者から連絡があった。




『おはよう。魔人狩りの少年』



 296/300になっているのに、わりと爽やかだ。


 こちらも「おはようございます」と返し、念のため、ビッチが眠っているのか問うてみた。


『ビッチは寝なくとも死なない仕様だから、滅多に眠る事はない。そして俺に抱きついたまま、キツツキのようにカリカリやっている。喉が渇くと無理をしてスライムを飲んでいる』



『お兄ちゃん。またボッチ君とお話しているんでしょ? いつも私をのけものにして……。グスン』



 だって、そりゃーあんたが、ちょっとずつ兄貴を削っていくからだ。




 ――それよりか教えてくれ。ビッチは犬嫌いと言っているが、それは本当か? もし本当なら、獰猛な犬をアイテムボックスに突っ込んで、隙を作り、その間にあなたを救います。





『いかん! ビッチは凶暴な犬を見るとだな――』



 なんですと!?

 もしかして、あれは正夢だったのか?



『困惑させてすまん。

 順序立てて話す。

 ビッチと犬には、因縁たる過去があるのだ。

 この話をする前に、まず俺達の過去から話さなくてはならない。天界と地獄界にまつわる悲劇の物語を。俺達兄弟姉妹を引き裂く運命の歯車は、ここから回り始めた』




 ビッチと犬。


 それほどまで、大スケールな物語なのか?

 いったいビッチと犬に、どのような過去の因縁があったというのだ!?

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