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俺のアイテムボックスに、ビッチな女の子をぶち込んでみました  作者: 弘松 涼
第一章 伝説は始まる……破壊神と創造神の物語
23/70

23 あーん、あーん

 それにしてもビッチの食欲は、とどまることを知らない。

 

 目の前に山があるから登るんだとか言い張っている登山家のように、目の前にモンスターがいるから食べ続けているのだろうか。



 とにかく大量にモンスターを投下する度に、邪神像を取り出そうと幾度となく試みた。

 だがビッチは、その度に、兄貴にぴたっと抱き付いてくる。



『お兄ちゃん、行っちゃヤダ!』


 じゃぁガリガリするなよ。


『お兄ちゃん、外へ出たらボッチ君とおいしいもの食べる気でしょ?』


 まぁ、打ち上げくらいはするかもしれんな。


『そして私の悪口を言うんでしょ?』


 もち。


『そんでもって、一緒に楽しいところに旅行に行くつもりなんでしょ?』


 楽しいかどうか分からんが、しばらくの間は勇者ルーンベルクに同行して正義の旅のお手伝いをするかもな。そうでもしないと、俺の悪行ptは暗黒神クラスのままだ。


『なんで返事してくれないの? やっぱり図星だったんでしょ? 私だけのけ者にして……』



 だって、あんた。

 兄貴をかじるし、俺を抹殺しようとしているじゃないか。

 のけ者とか言っているけど、そもそも仲良くする気あんの?



『あーん、あーん』


 ビッチはビービー泣き出した。


『お兄ちゃん。しょっぱいよー』


 泣きながら、かじるな!






『魔神狩りの少年よ。

 俺の事はいい。

 俺は大丈夫だから、君は閻魔討伐の為に動き出してくれ』



「え!?

 本当に大丈夫なんですか?」



『このままかじられても一日で3ポイントのダメージしか食らわないことが分かった。俺の邪神像は、300ポイントある。つまり100日の猶予が残されているということだ』


 その計算、おかしいと思います。

 仮に『3/300』ずつ減ったとしましょう。


 多分2週間かそこらで、頭が半分くらいになっているような気がします。


 100日後には、小指の爪くらいしか残りませんよ?



 くそったれ。ビッチめ!

 マジで、どうしたらいいんだ!?



『案ずるな。

 君には光のパーティーがいるではないか?』



 えーと?



『俺は知っている。

 この勇者の耳は節穴ではない。

 君の事を心から案ずる者達が、君をずっとつけていたのに気づいていた。

 一人は忠誠を誓う熱き男。

 そして強力な魔力を持った祈祷師に召喚士に、いにしえの大いなる英知を持つ賢者。

 最後に純粋な心を持つ姫君。

 みな、君を心配しているのが、俺には手に取るように分かる。

 光のパーティーである彼らと、閻魔打倒を目指すのだ!』



 え?

 え?


 あなたの耳、かなり節穴よ。

 

 あんたが言う、忠誠を誓っている熱き男は小悪党な盗賊で、祈祷師と召喚士はそのグル。


 大いなる英知????

 今朝食べたものすら覚えていないボケた爺さんだよ?

  


 さらに純粋な心を持つ姫君……ですか。

 そう来ましたか。

 確かに彼女は純粋だと思う。

 だから暗黒魔界の姫だと勘違いさせられているだけなんだ。

 泣いちゃっていたし。

 

 

 

 ――このメンツで、どうしろと?

 

 

 

【アイテムボックス】

 破壊神 × 1

 邪神像 ×  298/300

 スライム × 1/3

 犬 × 1

 骨の山

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