2 俺はビッチを飼う
咄嗟の思いつきで、ビッチをアイテムボックスにぶち込んでみた。
「おい、出せー! 殺すぞー!」
さっきから物騒なことを叫んでいるビッチではあるが、俺は一向に死にやしない。体は至って健康体。呪いだってかけられた形跡はない。
や、やったぞ!!
俺はビッチに勝った!
どうしてみんなこの手に気付かなかったんだろう。
ビッチを倒したら、レベルはどれくらい上がるのだろう。
腐ってもあいつは破壊神だ。
そうとう経験値があるに違いない。
スキルや魔法がなくとも別にいい。
標準パラメーターが上がれば、素でかなり強くなれるハズだ。
敵なんて、殴っただけで軽く粉砕できるに違いない。
「おい、君。お腹すいたー。もー出してよ」
「ダメだ。あんたが飢え死にして経験値になるまで出してあげない」
「げ! こら! 出せよ! 私はこれでも神様だぞ。少々食べなくても死なないんだよ。お腹は空いちゃうけど。可哀そうだと思わないのか?」
「まったく。お前はそうやって色気を使って、いたいけなボッチな少年たちを誑かしてこの世界にぶち込んできた。そこで反省しろ」
と言ったものの、ぶっちゃけ、あてが外れたのが事実だ。
どーしよう。
ビッチを飼うつもりなんて、さらさらなかった。
ビッチは、「今、出してくれたら、特別許してあげる。それに君の彼女になってあげようかな? ほっぺにチューしてあげる。こんな手で私を追い込んだの、君だけだし。毎日私のおっぱいをタワシにしてもいいわよ」
とか言っているが、絶対に嘘だ。
アイテムボックスから出た途端、俺を抹殺するに違いない。