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俺のアイテムボックスに、ビッチな女の子をぶち込んでみました  作者: 弘松 涼
第一章 伝説は始まる……破壊神と創造神の物語
12/70

12 俺は居候になる

 俺は助けてあげた爺さん達の宅へ転がり込んだ。

 二人の娘は12歳と14歳。

 気の良い姉妹のようで、とにかく俺に親切にしてくれた。



 だが、無料の宿をGETできたと思えたのは最初だけだった。

 家の主である40代くらいの男性とその奥さんは、とにかく俺に冷たい。



 招かざる客に迷惑千万といった感じだ。

 いや、初日だけは歓迎してくれた。

 持って帰ったご馳走の山を目にした時は、確かに感謝をしてくれた。

 だけど、そんなの一瞬でなくなる。

 



 宿泊すること二日経過。


 今朝も朝食を済ませて、俺が食堂から出ていくと、

「おい、エリナにアリサ。それと爺さん。いつまであの少年を泊めておく気だ?」


 娘は、

「ここに居たいだけずっと。だって命の恩人なんですから」


「命の恩人だからって何泊もされちゃぁたまったもんじゃねぇ。うちは貧乏なんだ。ああやってお前らの弱みに付け込んで、永久に居座るつもりなのでは?

 そもそも、名前すら名乗れないってのがあやしい。

 流れ者の危ない輩なのではねぇのか?」


「おじさん、違うよ!」


 この夫婦の事を娘達はおじさんと呼ぶ。

 どうも、実の家族ではないようなのだ。


 とにかく、たった数日で居心地が悪くなったのは事実である。





 ビッチはというと――


 結論から言うと、ビッチは賢い訳ではなかった。

 スライムを計画的にゆっくり食べていたのかと思っていたが、単に食えたもんじゃねぇくらいマズいから、我慢して無理をしながら食べていただけだった。


 それを証拠に、

『チキン、うまうま』

 と言いながら夢中で食べ尽くした。


 ガーゴイルが全滅すると、

『チキンもっと頂戴。スライムおいしくない!』

 と、喚きだした。



 ガーゴイルは意志をもつ石造の悪魔とも聞いたことがある。

 さらに先日、夢の中で数人が教えてくれた。

 ビッチの胃はどうなっている?

 これ以上の詮索はしないが……。

 


【アイテムボックス】


破壊神 × 1

ガーゴイルの骨 × 8

スライム × 1/2



 スライムが増えている。

 半分くらい吐きだしたのか?



 まぁビッチの食料が無くなった。

 もう数日、我がままを言ってこの家でパラサイトができれば、ビッチは疲弊していくはずだ。




 昼飯の時刻がやってきたので、借りている物置から出て食堂に向かった。



 ムスッとした主と奥さん。

 昼飯はオムライスのようだ。

 俺のだけ小さいが、文句は言わない。

 タダで飯が食えるだけありがたい。

 数日前の浮浪者から考えたら、すごい贅沢だ。


 神への祈りを捧げたあと、スプーンで口へと運んだ。



 イテッ!

 

 オムライスに何か異物が入っていた。

 慌てて喉の異物にめがけて『入れ』と念じた。




『魚の骨、キター!』



 そんなものを混ぜていたのか。

 エグイことをしやがる。


『魚の骨、うまうま。もっと頂戴』

 ビッチは喜んでいるようだ。

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