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第八十七話 技の試練の恐怖 後編 その一

 前回のあらすじ。


 ゴールだと思ったらボスがいたでござる。


「……ゴーストだ」


 自分で呟いて、自分で戦慄する。


 ゴーストは、ホーントよりも1ランク上の幽霊系アンデッド。

 ホーントとは違い、ゴーストは生きていた頃の記憶を保っている。

 そのお陰で、生きていた頃と同じ技や魔法を扱う事が出来る。しかも、さっきの死霊魔術師ホーントみたいに中途半端じゃあ無いヤツ!


 ゴーストを観察しつつ、ステータスを確認する。


 半透明でも解る、豪奢な装飾の全身鎧に身を包んだ初老の騎士。

 所属国とかは解らないけれど、飾りの付いた兜から隊長職とかではないのかなと思う。

 盾は持っていないのに片手剣なのが、少しだけ気になってみたり。落とした?


 さて、ステータスは?



 ゴースト Lv 20


 HP 55

 MP 30



 ドレインタッチ(魔力)



 剣技


 二段突き

 薙ぎ払い

 兜割り



 剣術


 ウィンドスラッシュ



 ううむ。

 ドレインタッチの他に、騎士気味な技をイロイロ……って、ちょっと待って!?


 今、『剣術』ってあった!!


『剣術』は、筋力や敏捷力依存の剣技とは違って、剣に“魔力”を乗せて放つ、いわゆる『奥義』と呼ばれる物だ。

 その威力は、剣技とは比べるまでもなく強力!


 だけれど、問題は威力が高いってだけじゃあないのですよ。


 剣術を修得するには、『超越者』と言うクエストを受けて、その過程にある『奥義修得』クエストに挑まなくてはならない。


 超越者クエストは、レベル100になる為に必要なクエスト。

 それを受けるには、ジョブレベルが99に達してるのが絶対条件だ。


 もちろん、これはゲームだった頃の話しだけれど。


 もし、ゲームの仕様そのままならば、このゴーストは生前、少なくともレベル99に達していた事になる。


 ……うぬう。

 ゴーストになっちゃってるとは言え、そんな強者に勝てるのかな??


 たぶんだけれど、ゴースト騎士の後ろにある扉が2階のゴールだと思われる。


 入って来た扉は既に壁になっていて、いくら目を凝らしても扉が見つからないから逃げ場は無い。

 てゆーか、戻っても意味が無いし、またホーントに絡まれるのだけれどね。


 それとは別に、もう1つ問題がある。


 それは、この部屋の異常な寒さだよ。


 学院の教室くらいはあるだろう部屋は、2階の通路や小部屋と見た目には何も変わらない。天井がだいぶ高いくらいかな?


 塔の中は、暑くも寒くもなくって、その点だけは快適だった。

 なのにこの部屋は、まるで冷蔵庫の中にいるみたいに寒いのである。


 周りを見ても、氷の精霊は見当たらないし。

 これってもしかして、死者の冷気って事なのでは!?


 ふと見れば、ジーナが白い息を吐きながら、小さく震えている。


 あんまり長居していたら、事によると健康を害する恐れが出てきそうで怖い。


 わたしのMPは半分とちょっと。ジーナはもうちょい少ないかな?

 こんな状態で、このゴースト騎士とまともに闘えるのか微妙な気がするのですがどうでしょう?? むう。


「……$□※¥○×?」


 突然、混乱していたわたしの耳に聞いた事の無い言葉が響いた。


 思わずジーナを振り返ったけれど、ジーナも耳に手をあてて首を横に振っていた。


 慌てて向き直ったそこには、腕組みをしてあご髭を擦るゴースト騎士の姿があった。


 まさか、今のって?

 確かに、しわがれた老人の様な声だったけれど。


 わたしは、メニューから翻訳機能をオンにする。

 これで、ゴースト騎士の言ってる事が解ると思うけれど。


「……誰か、ある?」


 やっぱり喋った。

 ……いや、ゴーストだから当然かな。ゲームだった頃には、ゴーストから受けるクエストもあったし。


 とにかく、今度はゴースト騎士の言ってる事が解った!


「は、はい?」


 裏返りそうな声で、わたしが返事をする。


「……良くは見えんが、そこな娘よ。

 今1度聞くが、ここは何処か? ひどい雨だが」


「えっ? あの、えと、ハイリム王国国立魔法学院内にある、〝試練の塔〟と言う施設の中です!」


 ……たぶん。

 そう、心の中で呟いてみる。

 だって、本当に学院の敷地内にいるか解らないんだもん。


 それより、〝良く見えん〟ってどう言う事!? このナイスバディを〝見えん〟とな!? などと。

 やっぱり、ホーントと同じ様にわたしを認識しにくいって事なのかな? あと、雨って何??


 わたしの答えに、ゴースト騎士は再びあご髭を擦りながら首をかしげた。


「……解らぬ。聞いた事も無い国だ。

 そもそもわしは、何故こんな所にいるのだ?

 わしの妻は? 娘は??」


 何やら、勝手に混乱し始めたゴースト騎士。

 今のうちに、横から扉に行けないかな? などと。


「ウロさん!」


 いつの間にか、わたしの横に来ていたジーナ。

 寒さからか、声が少しだけ震えているみたいだった。


「どしたの、ジーナちゃん。

 お腹痛くなった?」


「……まだ、平気です。

 それよりウロさん、あれを見て!」


 わたしの問いに、ジーナはゴースト騎士を指差して答えた。


「うん。何かお悩み中だから、今の内に横から扉へ……」


「そうじゃなくて、ゴーストの胸の所!」


 むむ!?

 何の事??


 わたしは、ジーナに言われるままにゴースト騎士の胸の辺りを注視する。


 ……ぬぬ!?

 何だろ、アレ?


 半透明なゴースト騎士の胸元に、1つだけクッキリと見える物があった。


 首からペンダントみたいに下げられた、半球状の金属の様な何か。

 この白い部屋でそれは、金色に輝いて見える。


「……アレって、もしかして!?」


「ウロさん!?」


 1歩、また1歩と、知らず知らずの内にゴースト騎士へと歩み寄っていたわたし。

 ジーナに声をかけられるまで、全く気がつかなかったし。


 そんなわたしに全く気づく様子も無く、ブツブツと独り言を呟いているゴースト騎士。

 チャンスと見たわたしは、そのペンダントに注目した。


『試練の塔の鍵 〝乙〟


 試練の塔の3階へと続く、扉の鍵の片割れ。

 〝試練の塔の鍵 甲〟と組み合わせる事で、1つの鍵として使用可能になる』


 やっぱり!

 何かキーアイテム的な物だろうとは思ったのだけれど、鍵そのものだったとは。


 さて、問題です。

 わたしたちは、どうやってあの鍵を手に入れれば良いでしょう?

 可能な限り、戦闘は避けるものとする! みたいな。


 まあ、幽霊系アンデッドを完封する方法なんて、今のわたしには無いのだけれど。


 となれば、直接交渉するしかありますまい!

 幸い、ホーントと違ってゴーストなら会話が成立するハズだしね。


 交渉の為、更に数歩近づいてみる。たった数歩なのに、氷の上で冬の風にさらされているみたいに寒さが数段増してビビッた。


「騎士様、お話がございます。よろしいでしょうか?」


 ゴースト騎士の前に立ったわたしは、右手の拳で胸を1度叩き、その手を開きつつ踵を鳴らした。


 騎士の敬礼。

 ずいぶん前に、デリク・クルーエル子爵に披露した事がある。

 ゴースト騎士に通じるかは解らないけれど。


「……お、おお!!」


 わたしの敬礼を見たゴースト騎士は、流れる様な滑らかな動作で答礼してくれた。見事すぎて、ちょっと感動。


 が、その直後。

 ゴースト騎士は、頭を抱えて苦しみ始める。


「うう、わしは今、何をした!?

 ぐうう……」


「今のは騎士の敬礼で……」


 わたしが駆け寄ろうとした瞬間、わたしの右頬を突風が撫でて行った。


 それは、剣だった。

 ゴースト騎士の半透明なブロードソードが、わたしの顔の真横にあった。


「寄るな!

 得体の知れぬ娘、次は素っ首、ハネ飛ばすぞ!?」


「……うう、はい」


 ヨロヨロと後ろにさがるわたし。

 同時に、ドッと冷や汗が吹き出す。


 ……剣が、全く見えなかった。

 それにあの刃、氷みたいに冷たく感じた。


 てゆーか、このゴースト騎士、記憶がだいぶ混濁しているのかな?

 さっきも、ハイリム王国を聞いた事無いとか言ってたし。


 それはそれとして、ゴーストに〝得体の知れぬ〟なんて言われたくないんですけれど!? ……超絶怖かったし。もう帰りたいよお。


「ウロさん、大丈夫!?」


「う、うん、大丈夫」


 足のふらつくわたしに、ジーナが支えになってくれた。


「一体、あのゴーストと何を話してたの?」


「いや、あの、話が出来るなら、闘わずに交渉で鍵を譲って貰えないかな? って……」


 わたしの言葉にジーナは、1度大きく深呼吸してから口を開いた。


「……それなら、あたしが交渉する!」


「ええっ!?」


 急に何を言い出すの!?

 そう言おうと息を吸い込んだわたしに、ジーナは笑顔でそれを制する。


「ウロさん、あたしの事、誰だと思ってるの?

 豪商〝アンクル・ティモシー〟率いるティモシー商会の娘だよ?」


「う、うん、だけれどね?」


「大丈夫、冒険者だって貴族だって、みんなお客様として対応してきたもの。

 ウロさんは、後ろで通訳して? あたしには、あのゴーストが言ってる事が解らないの!」


「ちょっ、ジーナ待って!!」


 そう言うとジーナは、わたしの制止も聞かずにスタスタとゴースト騎士に歩み寄って行ってしまった。


 慌ててジーナの後を追う。

 もし、ジーナが攻撃されても、あの速さでは助けられる自信が無いよ!?


 わたしの気も知らないジーナは、ゴースト騎士の前で膝を折って挨拶をすると、臆する事無く話し始めた。


「初めまして、騎士様。

 私、この魔法学院にて魔術師見習いをしております、ジーナ・ティモシーと申します」


 うおう。

 なんか、いつものジーナじゃないよ!?

 まるで、どこかのお嬢様みたいな物腰なんですけれど!?


 それを見たゴースト騎士も、唸るのをピタリと止めてジーナをジッと見詰めながらわたしの通訳を聞いているみたいだった。


「昇級試験において、卿の身に着けておいでの鍵が必要なので……」


「お、おお、我が娘よ、こんな所にいたのか!」


 急に、ゴースト騎士がジーナめがけて歩み寄って来た。

 急激な温度変化に、身体が硬直しそうになる。


「きゃっ!!」


 間一髪、後ろに倒れ込んだジーナはゴースト騎士の包容を免れた。


「どうしたと言うのだ、我が娘よ。

 さあ、こっちへ来なさい?」


 更に歩み寄ろうとするゴースト騎士。

 わたしは、ジーナとゴースト騎士の間に割って入る。


「ウロさん!?」


「ジーナちゃん、騎士様は、ジーナちゃんを自分の娘だと思ってるみたいだよ!」


「!?」


 驚きと困惑に顔をしかめるジーナ。

 一方、ゴースト騎士は再び頭を抱えて唸り始めた。


「騎士様、この子は貴方の娘ではありません。

 どうか、話を聞いてください!」


「わしの娘では無い?

 そんな筈は無い。わしの娘だ。それ、そこにいるではないか? ……ぐうううっ」


 虚ろな目で、誰もいない場所を指差しているゴースト騎士。


 何やら、さっきから言動が怪しいのだけれど?


「卿、この娘の名はジーナです。

 貴方の娘のお名前は??」


「わしの、わしの娘……?

 わしの……わしの……」


 三度、頭を抱えるゴースト騎士。


 何だか、イヤな予感がする。


 わたしは、再びゴースト騎士のステータスを確認する。



 ゴースト Lv 20(状態異常 狂気)



 うひいっ!

 このゴースト騎士、狂い始めてる!!


 昔、チームの先輩から聞いた事を思い出す。


「ウロや、良くお聞き?

 ゴーストが、あんまり長くこの世に留まり続けていると、記憶の混濁で自我が崩壊してしまう事があるのです。

 その多くはホーントになるけど、稀に、ゴーストのままに狂気に陥る事があるから、遭遇した時には気をつけるのですよ?」


 どうしてそんな事を知ってるのかと質問したら……。


「ちゃんと公式設定を読みなさい!」


 と、怒られたりした懐かしい記憶だ。


 ……なんて、感傷に浸ってる場合じゃないよ!


「ジーナちゃん、下がって!

 もう、話し合いが出来る状態じゃあないよ!!」


「……そんな、あたしのせい!?」


 んん、たぶん違う。と思う。

 このゴースト騎士、初めから少しおかしかったし。


「……そうか。

 貴様が、あの男の言っていた魔女か!?」


 そう呟きながら、重たそうに身体を動かすゴースト騎士。幽霊に重さなんて無い気がするけれど。


 いやいや、そんな事より勘違いが進んでるし! イロイロ。わたし、まだ魔女じゃないし!


「いいえ、わたしは貴方が思ってる様な……」


「わしの部下を殺し、妻を殺し。

 次は、わしから娘を奪うと言うのか!?」


 怒りと狂気に満ちた瞳は、それだけでも気圧されそうになる。


「違う、わたしは……」


 ブンッ


 一瞬、ゴースト騎士の身体がブレた様に見えた。


 次の瞬間、突風の様な何かがわたしの首を通り抜けて行った様に感じた。


 語弊じゃない。

 確かに、わたしの首を風が通り抜けたんだと思う。


 その直後、骨が凍りつくみたいな冷たさが首に広がり、わたしは悶絶する事になった。


「ぐ、はああああっ!?」


「ウロさん!!」


 ジーナの悲鳴に、自分が攻撃されたのだと気づいた。


 苦しみながら見えたのは、ゴースト騎士が、その剣を横に薙ぎ払っている姿だった。


 ……えと、まずはダメージの確認!


 思ったよりも冷静に、自分のステータスを確認出来た事に驚く。


 ダメージは、HPへほんの数ポイント。

 MPにダメージは無いし、ステータス異常も起きてはいなかったけれど、超絶喉が痛い。


「何故だ?

 何故、わしの剣術を受けて首が繋がっている??」


 ゴースト騎士は、明らかに動揺しているみたい。


 どうやら、あの剣で斬られても直接的なダメージは無し剣術も発動しないみたいだよ。

 実際、あったら首が無くなってる訳だけれどね。


 いや、だからと言って脅威が無くなった訳じゃない。


「ゴホッゲホッ」


 咳き込みながらも、転がってゴースト騎士から距離を取る。


 視界には、剣を見詰めながら肩を震わせるゴースト騎士の姿があった。


「わ、わしののけけ剣がとととどかぬか、なラばカマわぬ」


 言動までおかしくなり始めたゴースト騎士。

 剣を取り落としても、何の音もしなかった。

 ゆらゆらと身体を揺らしながら、鋭い眼光でこちらを見据えてくる。

 その瞳は、時折、真っ赤に輝いて見えた。


 んん!?

 更にマズイくね!?


 赤い目の幽霊系アンデッド、それって『レイス』じゃん!!


『レイス』は、ゴーストの1ランク上のアンデッド。

 だけれど、そのレベルは圧倒的に上昇する。


 確か、レイスのレベルは50前後だったと思う。

 今のわたしたちでは、逆立ちしたって勝てやしない。


 しかもレイスには、レベル以上に厄介な物がある。


 それは『エナジー・ドレイン』だ。


 この攻撃を受けた者は、問答無用でレベルが1つ下がってしまう!

 これはゲームだった頃の仕様だけれど、設定では、「対象の生命と経験を吸収する」とあった気がする。


 それの意味する所は、「死」である。


 強い怨みを抱いて、生きている全ての者を憎む死霊。

 それがレイス。……だったと思う。


 てゆーか、何でランクアップしてるの?

 記憶が薄れてるなら、劣化してホーント化しなさいよ!

 何怨み? 逆怨み!? 或いは人違い怨み。どれも迷惑!!


 喉の痛みをこらえつつ、わたしはゴースト騎士(?)のステータスを再度確認する。



 ゴ??ス Lv --


 HP ○△

 MP ×※



 な、なんだコレ??

 ステータスが変な文字になっちゃってて、ちゃんと表示されないよ!?


 これがゲームなら、即行でゲームマスターに不具合コールする所だけれど。


 ……もしかしたら、ゴーストとレイスの中間的な何かになってて、そのせいでハッキリと表示されてないのでは!?


 でも、今がチャンスだよ!

 もう、話し合いは不可能だし、変化途中なら、何としてもレイスになる前に倒さなくちゃならなくなった。


「ジーナちゃん、こっち来て!」


 少しだけ強引にジーナの手を握ったわたしは、自分のMPをジーナに送り出す。

「ウロさん!?」


 ジーナのMPがフル回復したのを確認して、その手を離した。


「ぷはあ……」


「ウロさん、どおして??」


「も、もしもの為にね!」


 そう、もしもの為。

 何があるか解らない以上、出来る事を少しでもってトコで。


 さあ、今度はわたしの方だよ。


 わたしは、ジーナから貰った魔石の欠片を握りしめた。

 選別なんてしてる余裕は無い。

 とにかく、ゴースト騎士が動き出す前にMPをフル回復しなくちゃ。


 魔石の欠片が、次々とただの石ころへと変わって行く。

 それと同時に、わたしの中に魔力がみなぎって来るのが解った。


 ゴースト騎士は震えながら、その凶悪な目をこちらに巡らせて来た。

 そして、定まらなかった動きをピタリと止める。


「お、おお、わわしのむむ娘……そ、そんな所り……。

 ま、待っておえ、い、いば助けててやううう」


 呂律が回っていない様な、くぐもった様な。

 さっきまでの初老の男性みたいな声は、もう無い。

 また、それがジーナに向けられているのは一目瞭然だった。


「う、ウロさん、あたし……」


 自分が見られている事に気づいたのか、不安と恐怖で今にも泣き出しそうなジーナ。

 わたしは、ジーナに笑顔を見せた。


「大丈夫、必ず守るから。

 下がっててね。前に出て来ちゃダメだよ?」


 声は無く、閉じた唇をムニムニさせながらコクコクとうなずくジーナ。


 ゴースト騎士がのそりと動き出すのと、魔石の欠片を使い果たしてわたしのMPが回復するのが重なった。


「あんまし使いたくなかったんだけれど……」


 独り言を呟きつつ、わたしは床に手をついた。

その二 に続きます。

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