つまらない日常
「二ヶ月」
前から二番目の窓際の席。
窓の外を眺めながら彼女はぼやいた。
授業なぞ聞いていないようだ。
それにしても、何が二ヶ月だというのか。
そう思い彼女から黒板へと視線をずらした。
カツカツと黒板に文字を書き連ねる教師。
それを素通りして本日の日付を見る。
六月十七日。
あぁ、そろそろか。
やっと納得をしてもう一度彼女の方を見た。
約二ヶ月前、彼女は彼氏と別れたのだ。
それ以来彼女はよく死んだような目をしていた。
色のない光のない暗いだけの、闇しか見えないそんな目。
「つまらない」とぼやくようになっていった。
あんな腐りきった幼馴染みをいつまで見てろというのだ。
鬱陶しくて仕方が無い。
前みたいにとは言わないが、もう少し何とかならないのだろうか。
今日も変わらない日常は私を陰鬱とさせて、彼女はまた「つまらない」とぼやくのだろう。