1、アイツとの出逢い
初投稿作品になりますので、至らぬところが多々あると思いますがご了承下さい。
「…ッ……!?」
風になびく短い茶髪。
細くスラリと伸びた長い手足。
パンクなんだかロックなんだか俺にはわからんけどセンスは良い。
表情は長めの前髪に隠れて読み取れないが、男ってのはわかる…
わかるんだけど……
あ、あれは何なんだ?人なのか?いやでも人間はあんなキラキラ輝かないよな…うん…じゃあ未知の発光体?
……っまさか幽霊!?
や、んなことどーでもいい……何で俺のバイクを見つめてんだよ!?
帰りたくてもバイクを置いてなんて帰れないし…
あ〜くそっ関わりたくないが仕方ない。
「おいっお前退けよ!」
「はぁ?」
何今のドスの利いた声!?
怖っめちゃめちゃ怖い。
「すんません…退いてもらえますか?僕のバイクなんで…乗れないんで。」
下手に出てやったらやっとこっちを向いた幽霊(仮)。
おっ男前だ。
まっ俺ほどじゃないけど…ふふん。
「あ〜これお前のなん?なぁ乗せてくれんかな?俺バイク好きなんよ。」
「ぇっ……」
図々し〜〜い〜〜!!
絶対B型だコイツ!
「お願い!!乗りたい!!お願いします。」
本当は嫌だけど…
コイツキレたら怖そうやし
怨霊になられても困るしな…
「後ろで良いなら……」
「マジで!?よっしゃーやったー!」
満面の笑みで子供の様に飛び回って喜ぶ男を見てたらこっちまでつられて笑っちまった。
「ひゃっほー♪」
「うっさい!黙って乗ってろ!!」
少し走ったらすぐに戻ろうと思ったが海が見たいと騒いだヤツのせいで近くの海岸までやってきた。
海を見てはしゃいでいる幽霊(仮)に…おそるおそる声をかけた。
「お前さぁ…」
「ん?」
「名前は?」
「あ〜俺?」
「お前以外に誰が居るんだよ…」
はぁ…アホだ。
絶対脳味噌ちっさい。
「ん〜皆からはユキって呼ばれとるよ。」
「ユキ?」
「そっユキ。お前は?」
「俺は俊輔。シュンって呼ばれてる。」
「ふ〜んじゃあハルな。」
人の話聞いてなかったんか?
ハルって…ハルって…
俺ハルじゃねぇし!!
「なんで?」
「春ってシュンって読むからに決まってんだろ!!」
アホ通り越して頭オカシイよコイツ。でもまぁ…
「む〜まぁいいか…」
何かおもろいし楽しい。
人間じゃないことは分かってるけど
いい友達が出来た気分だった。
「ハルっ」
「ん?」
「お前で良かった……俺嬉しい」
「はぁ?」
「ん?なんでもな〜い♪」
初夏の風を身に纏い楽しそうに砂浜を駆けるユキの背中を見つめ首を傾げるしかなかった。