二十四話
目の前に現れた人は意外な人だった。
俺が一番大切な人。
なんで、こんな所に・・・?
結「なんで、貴方がこんな所にいるんですか・・・・。」
?「居ちゃ悪いか?」
結「なんで・・・。 なんで、貴方が・・・・。」
ヤバイ・・・。
涙が出てきた・・・。
?「結、お前を迎えに来た。 一緒に来てくれないか?」
結「えっ!?」
?「急に言われても意味わかんないよな・・・。」
結「その前に、貴方とはいけません・・・・。」
?「なんで!!」
結「貴方は、俺を置いていったじゃないですか!!!」
そう、この人は俺を置いて自分だけあの家から出て行った・・・。
つまり、俺を裏切ったのだ。
?「違う!! あの時俺にはまだお前を迎えに行ける余裕は無かったんだ・・・。」
結「余裕が無くても、俺は貴方のそばに居たかった・・・。 俺は!!! 貴方が迎えに来るのを待っ ていたんです・・・。 今頃遅いです紡偽兄さん・・・。」
紡「結・・・。 ごめん」
結「誤らないでください!!」
紡「結、俺と一緒に来てくれる気になったら連絡をくれ。」
俺は、紡偽兄さんから紙を渡された。
兄さんは行ってしまった・・・。
行かないで欲しかった。
結「兄さん行かないでください・・・。 俺には兄さんしかいないんです!!」
誰も居ない道に俺は泣きながら叫んだ
忘れていた思い出が一気に流れてきた。
あれは俺が13歳、兄さんが18歳の頃だった。
俺の家は、代々医者と学校の理事長をやっている。
そのせいで、家庭は厳しかった。
兄さんは医者になるため、毎日のように勉強しかしていなかった。
しかし、俺と遊んでくれる時はそんな疲れを感じさせなかった。
兄さんは誰にでも優しくクールでスポーツ万能、そして勉強は常に1位。
俺は、そんな兄さんを見てカッコイイと思っていた。
しかし、ある日兄さんが塾をサボっていた事がバレてしまった・・・。
家庭は荒れていた。
兄さんは、傷だらけになっていた。
そして、1週間学校も飯も抜きで部屋に閉じ込められていた。
俺はさすがにやりすぎだと思い、親にそれを訴えた。
そしたら、父に殴られた。
母は泣きながら
「あんな子の心配をしないで、お願いだから貴方はまともに育ってちょうだい・・・。」
俺は、初めて親が狂ってるって思った。
兄さんは確かに悪いことをしている。
だけど、そこまでする事か?
俺は、訳がわからなくなった。
ある日、俺は親にばれずに兄さんの部屋に入る事に成功した。
兄さんは俺を見て、いつもの笑顔で「こっちに来い」って言ってくれた。
それを、聞いて涙が出てきた。
兄さんは「泣くな」って言ってくれたが、止まらなかった。
そして、兄さんは俺に家を出るっと言ってきた。
俺は、嫌だった。
でも、兄さんには言えなかった。
こんな所にいるより、外に居たほうが幸せだと思ったからだ。
そして、兄さんは言ってくれた
「必ず、お前を助けに戻ってくる。」
そう、俺は兄さんが出て行ってからその言葉を信じてやってきた。
どんなに辛くても、兄さんが助けに来てくれるそう思って頑張った。
しかし、兄さんは1年たっても助けに来てくれなかった。
兄さんは俺の事忘れたのか?
そう思って、毎日のように泣いた。
親は、兄さんが出て行ってから俺にすべてを求めてきた。
勉強、スポーツ、指導力、技術力。
俺は、兄さんの代わりになった。
俺は俺では無くなった。
しかし、今。
兄さんは俺を助けに来てくれた。
行ってほしくない。
俺を助けて。