第七章 王都で
うっかりして、一章飛ばして載せてしまいました。
申し訳ありません。
取り替えましたので、楽しんで読んで頂けたら幸いです。
追記 推敲・添削しました。
第七章 王都で
「身分証明書を見せなさい」
と、言われたので門番さんに身分証明書を見せた。
「え~っと……? !? なんと! はっはあ、グリモアというのか」
またか……誰と勘違いされたのだろう。激しく動揺した門番さんに聞いてみる。
「グリモアって名前、珍しいんですか?」
「ああ。珍しいというより、偽名でなければ数々の偉人の中にもこの名前は多い。お前の名前はそういうものだ。偽名なのか?」
「へぇ~。そうなんだ。ちなみに、偽名じゃないです」
偽名です。
しかし何故、あの女性、“ゲートキーパー”さんはこの名前を名乗らせたのだろう。
「まぁそう気負うな。それでは改めて、入国を許可する」
「ありがとうございます」
・・・。
・・・・・。
・・・・・・・。
「うひゃぁあ。王都って広いのなぁ……。」
入り口の右側にさっきの役所があり、メインストリートの所に店や鍛冶屋、酒場などがあり、店の裏側には住宅街があった。改めてみると結構広い。
ゲートキーパーさん(?)の言っていたとうり様々な格好の人達がいた。
「まずは、っと……ん? あれ、何だろう」
見ると他の店とは違う、変わった建物があった。
「変わった建物だ……。」
とりあえず行ってみることにした。
カラン、カランッ
小気味良い音を立ててドアが開いた。
「資格認定所にようこそ」
と、受付のお姉さんが声をかけてきた。
「資格認定所?」
「はい。ご存じない?」
「ええ、まぁ」
そこはなぜかあの人には教えてもらえなかった。
「資格認定所は読んで字の如く、職業になるための資格を取ることが出来ます。資格を取ればクエストで優位に立てたりします。あちらで受け付けているのでどうぞ。」
「どうも」
カウンターではめんどくさそうに男性が座っていた。
「ようこそ……。ぬふう。ふわぁ。何を取りますか?」
いかにもめんどうそうに男性が聞いてきた。
「ちょっとしっかりしなさいよ」
「分かってる、分かってるから」
すぐに受付のお姉さんにたしなめられた。
「えっと、では冒険者の資格を」
「冒険者? じゃあ何でもいいからドラゴンの鱗を一枚取ってきな。死なねえようになあ」
「ドラゴン……ドラゴンか。やっぱり強いんですよね?」
「強い奴は異常なほど強ぇ。でも弱い奴はその辺の魔物と変わらん奴もいる。ま、最初は弱ぇ奴からだな」
「はぁ……そうですか」
「ねぇ、そこの君」
突然、赤い髪の少女が呼びかけてきた。
それも、目の醒めるような美少女だったと、今、そう思う。