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第二十四章 私戦

 すっかり冷え込んで、通学にネックウォーマーと手袋がデフォルトになりがちな今日この頃。みなさまはいかがお過ごしでおられる………………まあ、寒いのは一緒でしょうけれど(笑)

 気温も皆様の目も冷めがちなこの一瞬ですが、小説の中身は少しだけホットなので、ぜひご一読を。

第二十四章 私戦


「それでは、いよいよお待ちかね、決勝戦“デビル・スコーピオン”V・S“ルーキーバスターズ”です。両者準備はいいですか?」

「ああ。勿論だ」

 ジェンガが余裕綽々に答える。流石といったところか。

「ルーキーバスターズチームは?」

「今すぐ始めてくれ。待ちたくない」

「分かりました。では決勝戦ルールは両者“戦闘不能者攻撃禁止”です!」

 …………。

 血がざわめく感じと、黒くうごめく内側の思いがせめぎあう。

「それでは…………試合開始――!」

 審判の合図とともに、グレンを初めとするメンバーが襲撃しようとするのを手で制す。

「グリモア!?」

「分かってる。分かってるともさ。ちょっと待ってくれよ」

 意識は集中しなかった。怒りをそのままぶつけるように、想像する。

「“雷”・“炎”・“風”…………“岩”よ!!」

「「「「「「「!」」」」」」」

 全員の意識がこちらに寄った。

 デビルスコーピオンチームに嵐のように魔法が殺到する。

 雷が舞い、岩が隆起し、炎が踊り、風が叫んだ。魔力の塊が膨れ上がり、弾け、炎上し、破片が散り、鬩ぎあう。

「ぐあぁぁぁああああ、あああああああああああああ」

 相手チームの断末魔があがる。

「もちろん容赦はしないさ。ああ」

 先ほどであれば気絶するような魔法の使い方だったが、今は不思議と疲れがない。

 しばらくし、魔法が止む。ジェンガ以外は全員倒れている。

 そう、ジェンガだけを残した。

「さて、ジェンガ…………。もちろん覚悟はいいよな?」

「くっ……!」

「お前はやり方を間違えた。同情の余地はない」

 後ろのメンバーを目で指す。全員が呆気あっけに取られていたが、まだ怒りがこもっていた。ホントは話し合いで何とかなったかもしれないが、仲間を悪く言われると、許せなかった。

「さて、後はよろしく」

 そう仲間に告げた。

「ありがとね、グリモア。私たちのために…………」

「いいさ。俺だけの問題じゃない。みんなの問題だ」

「(それだけじゃないけどね)」

「?」

「………ううん、なんでもない。さて、どう責任を取らせようかなぁ……?」

「みんなで相談するといいさ」

「グリモアは?」

「もう充分かな。気は晴れた」

「そう」

 目の前には惨状があったのだが、俺たちは仄々(ほのぼの)と会話していた。


…………。


「決勝戦、勝者“ルーキー・バスターズ”です。よって優勝者……ルーキー・バスターズチームです。おめでとうございます!」

 ワァァァァァアアアアア

 ボロ雑巾と化したジェンガを無視して、観客から拍手喝采をもらった。

「では、続きまして、エキシビジョンマッチ、十二騎士“ヴァイレン”対“ルーキーバスターズ”です!」

「お? メインだな、ようやく」

「この試合にルーキーバスターズチームが勝てば賞金が2倍の百万円チャンス! 負けてもリスクはありません。もちろん、挑戦しますよね?」

「ああ」

 ワァァァァァアアアアア

「それではしばらくの休憩を――」

「その必要はないんだろ? いますぐ始めようさ」

 司会の声を、一人の男が制した。この闘技場のどこかにいると思ったが、姿が見えない。

 数瞬後、地面に影が差す。

 タンッ

 急に空から、先ほどの声の主であろう男が降ってきた。

「血も涙もないこいつらを制裁してやらんと、さぁ」

 男はパッと見俺と同じ歳の青年で、背には騎士剣であろう西洋剣を携えていた。

「俺たちのどこが血も涙もないんだ?」

「あんたがリーダーだな」

「質問に答えろ」

「アッツイ灸をすえてやるさ」

 どうやら目の前の男は質問に答えてくれないようだった。

「では早速――」

「!」

 背の騎士剣を抜いたと思ったら、切りかかってきた!

「っ!」

「覚悟しろよ!」

「えーー、何故か勝手に始まってしまいました、エキシビジョンマッチ。それでは続けてください」

 司会者が投げやりにコールする。始まった。いや、既に始まっていた。

「おらおらおらっ! さっきみたいな魔法はどうしたよ!」

「くっ……」

「グリモアっ!」

「いいぜ! チーム戦だろ! 仲間を思う気持ちがあるならかかって来いよ!」

「いわれなくったって!」

「あん?」

「“氷”よ!」

 ルンが魔法を唱える。氷のつぶてが飛散し俺とヴァイレンに当たる。

「へっ、仲間もろともかよ?それでも本当に仲間か?」

「ああ。もちろん」

 気が緩んでいるうちにボディーブローをかます。

「くぅぅっ……」

「お前、何か勘違いしてるだろ」

「勘違い? はっ、抜かせ!」

「俺たちは仲間のために力を尽くす。仲間の名誉を守るために、俺たちは刃を向けることも辞さない」

「ほう。やるのは敵だけさぁ? 敵ならいいってか?」

「だから、何か勘違いしてるぞ?」

「しらばっくれんなよ。さっきの試合はひどいモンだったさぁ」

「ああ。あれか。仲間を思ってこそ、だ」

「そうかよ。だったら、化けの皮剥いでやらぁ!」

「? 化けの皮……?」

「こっからは本気だ! 容赦しないさぁ!」


 ヴァイレンの名前がうろ覚えになりがちで、ヴァイエルだったかヴァレルだったか、よく間違えます。正解はヴァイレンです。両方ハズレですね。

 設定は登場人物一覧にも載せておくつもりですが、基本熱血です。

 これからの活躍に期待……出来そうはないですが、場を盛り上げるのには一役買ってもらいましょう。

 それではまた。

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