第二十二章 大会・始動
推敲・添削しました。
第二十二章 大会・始動
「さあ、今年もやってまいりました、レグオス武闘会。今年は誰が優勝杯をかかげるのでしょうか。私も緊張しております。さてここで、まずはルールのおさらいです」
ルールは事前に手に入れていたものであっていた。その説明の後、対戦者の発表。気になる第一戦の相手は……?
「それでは早速、まずは第一回戦“グリーン・ローズ”VS“アイアン・テイル”です!」
第一試合、俺たちではなかったが、初っ端からアイアン・テイルのバトルだ。じっくりと観察しよう。
「今回のルールは…………出ました、“アイアン・テイル”チーム、魔法禁止です。対する“グリーン・ローズチーム”は、状態異常魔法禁止です。う~ん、これはアイアン・テイルが少し不利でしょうか? …………それでは試合開始です!」
アイアン・テイルは魔法禁止のルール。これでも勝ち上がるようなら“強い”という噂は本当だった、ということだろう。
…………。
アイアン・テイルの鮮やかな剣捌きが相手を捉える……!
最後の一人が気絶。結果、アイアン・テイルが勝った。最後の一人を含め、相手チーム全員を気絶させての勝利。。魔法が使えなくても勝ったのだから、余程武道の心得があるのだろう。強い。これは間違いないな。
「次は“サンダー・スパイク”VS“ルーキー・バスターズ”です。今回のルールは……出ました。“サンダー・スパイク”チーム、付加魔法禁止です。対する“ルーキー・バスターズ”チームは武器禁止です。これはルーキー・バスターズチームが少し不利でしょうか?」
さて、いよいよだ。ツヴァイハンダーを控え席に置いていかなければならないが、負けるとは思わない。勝つのは俺たちだ、その思いを消さないようにする。
「みんな、準備はいいか?」
「ああ」
「おう」
「勿論」
「はい」
「よし……勝つぞ!」
「「「「おう!」」」」
意気込み充分。華々しい勝利をみんなが期待していた。負けない。
…………。
「それでは試合開始です!」
ダッ
試合とともに、敵チームが攻撃を仕掛けてくる。こちらは素手なので直接攻撃されるとヤバイ。
意識を集中する。
「“雷”よ!」
雷撃は一直線に相手に伸びていき、武器に当たる。
「へっ、“雷”は効かねえよ!」
! 何だと!? 電気が弾かれた!
「次は俺の番だぁ!」
やばい、長剣で切られる!
「アブねえ!」
ディノが横から氷の魔法を唱えてくれる。剣に当たり、相手の気がそれる。
「悪い、助かった。」
「お互い様だ。それより前みろ」
「ああ」
見返してやらないとな。
意識を集中させる。
「“炎”よ!」
大きめの火球が三つ相手に向かって飛んでいく。
「くっ……!」
それを相手が長剣でなぎ払う。そうだ、やっぱりそうくるよな!
状況を見て、次の魔法。
意識を集中する。
「“土”よ!」
相手の足元の地面が割れる。足を取られたヤツに向かって、次は氷塊を時間差で出してやる。
「ぐっはぁ!」
「そっちは大丈夫か?」
「ええ。終わったわ」
「ってことは……」
「ああ。無事に勝ったぜ!」
一拍おいて審判が高らかに宣言する。
「勝者“ルーキーバスターズ”!」
審判が宣言し終えると観客が多いに盛り上がった。
「この調子で次も頑張ろうぜ!」
「おうよ」
…………。
その後も大会は続いていった。
俺たちが少し間を開け、“アイス・レイヴンズ”というチームを倒した後、優勝候補のデビル・スコーピオンと、“ウインド・リザード”が戦っていた。
ルールはデビル・スコーピオンがチームアタック禁止、ウインド・リザードが錯乱系の魔法禁止だった。錯乱系は混乱、魅了、暴走化 、などがある。チームアタックは言わずもがな。デビルスコーピオンのほうが有利なルールだろう。
そして結果。
「ただいまの試合、勝者“デビルスコーピオン”です!」
また観客が盛り上がる。
「勝ち残ってるな」
「そうね」
「やっぱり強いんでしょう」
「まあ俺たちは負けないだろ」
「油断しちゃ駄目だぜ」
「分かってるさ」
そこで、また司会者がコールする。
「次の試合は……“アイアン・テイル”チーム対“ダークネス・ソウル”です」
「またアイアン・テイルが勝つのかな?」
「聞き込みによると勝率は高いからな」
「静かに。始まるわよ」
今回、試合に集中することにした。
序盤はアイアン・テイルが押していたように見えた。リーダーらしき男の剣捌きは見事なものだったし、チーム全体のバランスも取れていて、やはりこちらが勝ちそうだ。
「今回もアイアン・テイルが勝ちそうだな」
と、グレンが何気なく言った。しかしルナが否定する。
「いや、ダークネス・ソウルが押してるわ」
「へ? どこが?」
「ほら、アイアン・テイルのリーダーが剣しか使ってないでしょ。きっと“沈黙”の魔法が、かけられてるのよ。他のメンバーも、がむしゃらに剣や斧を振ってるし、色々状態異常の魔法がかけられているのよ。恐らく錯乱系ね」
なるほど。言われてみると、確かにそういう風に見える。
しばらくして、リーダーがふらついて、片膝を着く、その数瞬後に――
「あ、リーダーが倒れた」
勝負あったな。
「ノーマークのダークホース登場ってところか?」
まあそうだけど。言い方がなんか引っかかるな。ディノらしい感じな。まあいいや。
「ただいまの試合、勝者“ダークネス・ソウル”です!」
歓声が上がり、審判がコールする。
「次は…………“ドラコ・アマゾネス”対“ルーキー・バスターズ”です。今回のルールは……出ました! ドラコ・アマゾネスチーム“毒”禁止、ルーキー・バスターズチーム
“音楽魔法”禁止です!」
「あいては四人ね」
「っていうか音楽魔法って何?」
「読んで字の如く“音”を支配する魔法。精神に影響を与えたり、心を乱すことを目的にしているもの。基本的に楽器がないと使えず、扱いも慣れが必要で難しく、戦闘には不向きだが、通常の“精神付加魔法”よりは効果が高い………って書いてあるぜ!」
「何読んでるんだ?」
「ルールブック。第三項目・ルールの種類、それに関する魔法知識…だってよ」
何処においてあったのだろうか。見かけなかったが。
「そんなもノ読んでないで、さっさと行きましょ」
「いやいや、誰か、さも自分の知識みたいに言ってることにつっこめよ」
ディノが、空気を読んだ、見たいな顔で言ってくる。
「あんたがやれば?」
「さて、さっさと行くか」
「「「…………。」」」
ディノは無責任だった。
…………。
前回のはミスです。ご了承ください。寛大な御心で。
↑と書いていましたが、いまさら(時間の流れ的な意味)過ぎて思いだせません orz 。




