第十七章 休気
推敲・添削しました。
第十七章 休気
チチチチ、チ
「ぬう」
もう朝か。疲れてると、朝が早く思うな。
…………。
「さてと、またこのメンバーで集まったわけだが……。」
隣のルナと、グレンを見やる。
「私、買い物したいな~。」
「一人で行けよ。」
「「じゃあ、バイバイ。グレン!」」
「息ピッタリ!? 嘘だよ! 俺も行くよ!?」
…………。
「ところで、何買うの?」
「たんまりお金も入ったことだし…………アクセサリーとか?」
「女って、そういうのやたら欲しがるよな~」
グレンよ、偏見は良くないと思うぞ?・・・それに、まだ大丈夫な方だと思う。
「なによぅ。別にいいじゃない」
「っていうか、どんなのが良いんだ?」
「例えば……こんなのとか?」
そう言って、綺麗な飾りのついたピアスを指した。
「あらら、これ、ほんとにいいじゃないの」
そのピアスをじっと見つめていると、なんかころころ色が変わった。見た感じだと凄く高そう。
「これ幾らかしら?……店員さ~ん!」
「はいはい。何ようでございやすか?」
「これ、幾らかしら?」
「そこに書いてありますぜ。『エレメント・ピアス』10万シェル」
10万か。ピアス一つでかなりの値段だな。
「そこの兄さん」
「え、俺?」
「そうです。今、このお買い得商品を、高いと思ったでしょう」
何 故 バ レ た ?
「この商品、値段は高いですが、かなり性能がいいんでやすぜ」
「例えば?」
「元素の魔法、火・風・氷・水・土・雷を、受けたとき半減させると評判でやすぜ」
ふ~ん。結構使えるのかね。
「それに、魔法を使ったときは威力が上がって便利でやす」
「え? それって危なくないか?」
「そうかしら。私は気に入ったわ」
「でもどうするんだ? 結構高いぜ」
それまで話しに入ってこなかったグレンが割って入ってきた。
「う~ん。奢ってくれない?グリモア、グレン」
「10万だろ……」
「後から払ってくれるなら、俺はいい」
10万なら最初からあったしな。
「そうだな。俺も今は使わないから、後払いならいいぜ」
「なら、交渉成立ね。5万Sずつ、出してよね。」
「ほれ」
「どうぞ」
俺とグレンは、5万Sずつ店員に渡した。
「毎度あり。また来てくだせえ!」
…………。
「さて、これから一気に稼がなきゃならないわけだが?」
「大丈夫よ。抜かりないわ。ほら、あれ見て」
指し示した先には、でかでかと
『武 闘 会 開 催』
と、書かれていた。賞金五十万S。
「いやいや、いや。あんなん、強い人ががっぽり儲けるためにやる奴じゃん!」
「あら、そうかしら?」
そう言って、看板の下の方を指差す。
『冒険者の方で、なり始め1年の方までが出場できます』
「「胡散臭すぎる……」」
なんてあからさまな。それで得することって何だ?
「財閥が楽しむためにするのか、あるいは政府が出した恒例行事なのか。どっちかじゃ、ないかしら?」
「いや、それでも何のために?」
「新人の腕試しだよ。昔からあるんだ」
後ろから声がかかった。
今回は少し短めです。