第十五章 ディムナス盗賊団
推敲・添削しました。
第十五章 ディムナス盗賊団
――そんじゃ、攻めるぜ?――
今、奴らのアジトの前まで来ている。
門番らしき二人組みが、きょろきょろと辺りを見回し、警戒していた。
――3……2……1……今だ!――
俺は、隙を見てディノとエルを突撃させた。
「む、貴様らはこの前の……」
「敵だ! 援軍を頼――ぐあぁ――」
「へっ、呼ばせっかよ」
ディノがタタッと近づいて、男を殴りつけた。
「勿論あなたもです。」
そういって、もう一人の男の首から上に水の塊を出現させた。
ガッボッォォォォォ
「そのへんでやめといたげて」
「そうね」
バシャッ
水しぶきを上げ塊がなくなる。
「がはぁ……はぁ、はあ」
「よっと」
そこへ、すかさずディノが鳩尾に一発入れる。
「ごほっ……」
男は気を失い倒れる。すぐにディノが報告した。
――どうだ?見事なモンじゃあないか?――
――若干エグイ……――
――まぁいいじゃない。さっさと進んで――
――相変わらずつれないねぇ――
ぼやきながらも、ディノとエルは先に進んだ。
…………。
――どうだ?――
――なんだろうな。人気がない――
――大丈夫、計画どうりだ。先に進んでくれ――
――了解――
…………。
――なんか、うようよいる――
――よし、そこらで一暴れしてくれ。俺たちは別ルートから入る――
――了解……っていうかそんなのあったか?――
――あったんだ。くれぐれもこっちに逃がすなよ?――
――はいよぉ―
やっと、俺たちの出番が回ってきた。いっちょやるかな。
「ルナ、グレン。行こうか」
「おう」
「そうね」
…………。
先ほど見つけた、細い通路を歩いていると、喧騒が聞こえてきた。
「やってるわね」
「ああ。かなり盛り上がってる」
「この奥にボスがいんのか?」
「たぶんな」
「ちょ、たぶんて」
…………。
「やっぱりだな」
細い通路を抜けると、開けた場所に抜けた。
そこには、木製とおもわれる椅子に腰掛けた、二十代ぐらいの男がいた。
「ようこそ。あいつらは囮か?」
「囮とは失礼な。陽動と言って貰いたいね」
「どっちだっていいさ。用件は何だ? もちろん、大体は分かる」
聞かれて、一枚の紙を取り出す。
「あんたらの盗賊団には討伐命令が出ている。さっさとやられてくれないか?」
「勿論、嫌だ。」
「じゃあ力ずくだな。こっちは三人もいるけど」
「こっちはもっといるぜ。」
男がパチンと、指を鳴らした。途端、後ろからゾロゾロと集まってきた。
「あいやぁぁぁ。どうすんのかね? な、グリモア」
「ふざけてる場合じゃないわよ」
意識を集中する。
パキィッ
直後、ボス以外の盗賊団の足元が凍る。
「ん~。さて、と。どうしよっかな~」
エル、エグイよ、エル。
そして相変わらずグリモアもチートで、ルナは万能です。
ルナは『身軽・魔法豊富・短剣スキル・ボケ・ツッコミ』を揃えた優秀な人材。
グレンはボケのみ。
ディノはいらない子じゃないよ!