第十四章 盗賊退治
推敲・添削しました。
第十四章 盗賊退治
「お。おはようグレン、ルナ」
「あら、おはよう」
「おう、おはよう。お前も買いに来たのか?」
「そうだ」
朝、仕度して道具屋に来てみると、グレンとルナが先に来ていた。
「なぁ、グリモアは何色にする?」
「え? 何色にしようかな……」
そういえば、色は決めていなかった。
「私たち、昨日アイス・ドラゴン倒したでしょ? だから、私たち三人は蒼色で統一しないかって相談してたのよ」
「じゃ、分かり易いしそうしようか。」
「流石。決断速い」
「昔からだ。そうそう、幾らなんだ?」
「5000S」
と、ルナが答える。5000Sはそこそこな値段だが、まあ必要経費だと考えたので、すぐに答えが出た。
「5000Sね」
革のウエストバッグから無造作に5000S取り出し、店員に渡す。
「毎度、コールストーンだ」
そういって、蒼色のコールストーンを渡してもらう。
「じゃ、まだちょっと早いけど表門に向かいましょ」
「おう、そうだな」
「あら、随分早いですね」
「そういう、あんたらもな」
「それでは先に作戦を立てましょうか」
「それって、昨日やっておくことじゃないか?」
「昨日は皆さん、お疲れだったみたいでしたので、今日することにしました」
「そうか。そいつは悪いな」
「何でもいいけど、早くして乗り込まないと日が暮れるわよ」
「そいつもそうだ。早く決めちまおう」
まずエルに概要を聞いてみる。
「じゃあ、まずは相手の特徴だけど?」
「彼らはディムナス盗賊団というのですが、まず挙げられる特徴は、単体行動を取らないという事です。普段は二人一組で行動することが多く、一対一の戦いに持ち込みにくいです。その上耳にイヤリングや、ピアスをつけているものが多いのですが、その耳飾りの装飾品がコールストーンで出来ていて、交戦が長引くと援軍が呼ばれてしまいます」
「そいつは厄介だな。」
「一気に攻め込んじまうしかないか?」
「しかし、なかなか手強く、そういう力技は難しい気もします。」
奇襲もかけずらく、力技も難しい。実は結構厄介だな。
ん? これはどうだろう?
「じゃあ、こうしたらどうだろう」
「どんなのですか?」
「まず、顔が割れてるディノとエルが奇襲を仕掛ける。一回攻められてるから、警戒してくるはず。援軍が呼ばれたら、こっそりと俺たちがボスの所まで行って、チェックメイトだ」
「そんなに上手くいくかねぇ」
「失敗したら力技でいけるし、コールストーンはこっちだってあるんだ。上手く合図したら出来ると思う」
「よし、じゃあ攻めに行こうぜ!」
「ああ。出発だ」
今回は作戦会議だけで、砦の攻略は次回からです。