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第十章 再チャレンジ

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第十章 再チャレンジ


「グリモアって、思ってたより強いのね」

「ほんとだよ。あの魔法は反則だろ」

 帰り道の途中で二人から批判の声が上がる。

「いや……魔法、初めて使ったんだよ。……いや、ほんとに」

 ここは本当の事を言う。自分は扱いきれてなかった、と。

「始めて使ってあの威力って……いったい何なの」

「始めて使うって……ほんとに貴族かよ」

二人から賞賛とブーイングをもらう。後者は余計だ。

「しかし、あそこまで強いとなると、ドラゴン一体くらい余裕だな」

「いや、そこまでではないだろう……?」

「さぁ? あなた強いし。それに、無理に倒す必要も無いわよ。鱗を取ってくるだけだもの」

「あ、そういや、そうだな」

「まぁ、気楽に行こうぜ」

「そういう事よ」

「そうか……。まぁ、二人がそういうなら、無理に気負うことも無いな」

 しかし、あんなに大きい氷塊が出てくると思わなかったものだが。図書館で調べよう。

 そこで、ふと気づく。もう門の前に来ていた。

「明日はどうするんだ?」

「明日の朝は、今日と同じ、ここに来てくれ」

「「分かった(わ)」」

「それじゃあ、また明日。」


・・・。


「さてと、どれかな……っと」

 今、昼間来た図書館に来て、調べ物をしている。

「これは・・・?」

“魔法の落とし穴”という本を見つけた。

「え~っと? 魔法には、想像したことを具現化させる力が有り、炎をイメージすると、

物が燃え上がることは、既に常識である。」

 ふむふむ。やっぱり常識か。

「しかし、欠点や、落とし穴は、意外に知らない人が多いので、ここに記す。まず、初めて魔法を使う人。また、魔法をはじめて使う人の側にいる人は気を付けて欲しい。初めて使う人は魔法の力が不安定で、暴走したり、思うように行かないので、慣れるまでは何かで練習することを推奨する。慣れてきたら自在に操れて楽しいので、ぜひ練習して欲しい」

 慣れるまでずっとああなのか。まぁ、それもすぐだろう。

 夜も深まり、疲れたので宿を取って寝ることにした。


・・・。

・・・・・。

・・・・・・・。


「さぁ、今日こそは、鱗、取って来るわよ・・・はふ」

「随分とお疲れのようだな……。」

「朝って、眠いのよね」

「まぁ、洞窟に行くまでになんとかしてくれ」

「分かってるわよ……グレンよりましだわ」

「Zzz……はっ!?」

「朝、弱いんだな、二人とも……」

 こんな調子で大丈夫か? と思いながら、洞窟を目指した。


…………。


「さぁ、今日こそは鱗取ってくるわよ!」

「さっきもそう言ったじゃないか」

「仕切りなおしよ」

「何でもいいけど、さっさと獲って来ようぜ」

「ああ」


…………。


 今回は何事も無く、開けている空間まで来れたようだ。

 しかし、肝心のドラゴンはおろか、魔物等もいなかった。

「あれ、おかしいな。何もいねぇや」

 少し少なすぎる、とグレン。

「ホント、どうなってるのかしら」

「仕方ないな……。鱗が落ちてないかだけでも、探してみるか」

「そうね」


…………。


「だああぁぁ! なんもねぇ!」

「落ち着け、グレン」

「何でそう冷静なんだよ! 鱗はおろか、毛玉一つ見つからないって、おかしいだろ!」

「確かに、これは異常だわ。生活の跡が見当たらないってのは、幾らなんでもおかしいもの」

「ふむ……。もっと洞窟の先はいけそうか?」

「あるにはあるが、初心者の俺たちは立ち入り禁止だ。ほら、あそこ」

 と、黒い空洞を指差す。

「ここまでのところは松明とか要らなかったけど、あそこからは暗くなってるらしい。まだ駆け出しで許可証もないし、不用意に入っちゃ駄目だ」

「やけに詳しいわね」

「これでも、下調べはきっちりしてるんだぜ」

 と、その時。

 グワアアァァァァ………………。

 ググガアアァァァ

 という、おたけびが洞窟の中をこだました。


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