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森林浴

作者: せおぽん
掲載日:2026/02/26

コンクリートでできたビルヂングの森。


昼間明るく夜なお明るい。


振り注ぐ明かりは、人を休ませない。


ビルヂングの森の中で、息を吸う。


森の中の汚れた空気。


癒しを求めて散策してみる。


ビルヂングの中には、ビビッドで刺激的なカラーの商品がならんでいる。


楽しそうに笑う人たち。


彼らは癒されているのかもしれない。


私は彼らを恐ろしく思う。


肩身を狭くしながら街路樹は佇んでいる。


ビルヂングの森も、秋になれば色づくのかもしれない。


黒いアスファルトの土。


固い土を歩くのは苦痛だ。


灰色のビルヂングの森は、木々の見分けがつかない。


私は、森を彷徨っている。


この森の中にも、どこかに癒しはあるのだろう。


足が痛い。


座り休む場所も無い。


緑の森は、どこにでも癒しがあったのに。


聞いたことのある名の、コーヒーショップに立ち寄る。


Sサイズのコーヒーを頼み、席を探す。


ひとつ空いている席を見つけて座った。

固い椅子は私を急かしているように思えた。


300円の、このコーヒーは初めて飲んでみたけれど凄く美味しい。美味しすぎて、私は惨めになる。


コーヒーを飲み終わって、カップをお店に返した。

「ごちそうさまでした」と言ったら、店員がクスッと笑った。


お店を見回すと、皆はカップをテーブルに置いたまま黙って立ち去っている。


私はオシャレなこのお店にふさわしくないな。

違うな。オシャレなこのお店が、私にふさわしくないんだ。


信号で止まると、小さいお母さんが、小さな赤ちゃんを抱いていた。


お母さんは、信号が変わるのを見つめてる。赤ちゃんが私を見た。


私が赤ちゃんに、ニコっと笑ってみたら赤ちゃんは、ふにゃんと柔らかく笑ってくれた。


足は痛くなくなった。嫌な事は全部忘れた。


ビルヂングの森にも癒しはあるんだね。と、赤ちゃんに笑ったら、赤ちゃんは、ぷうと頬を膨らました。


あはは。そうだね。赤ちゃん。そうだよね。




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