表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ミケランジェロのピエタ

作者: イプシロン


  真鍮の貝が閉じるとき

  夜は夢を見る

  大理石のマリアの涙

  鉛のように流れ

  死せる子を抱く

  金剛の力は弛まず


  静まった大広間では

  フーコーの振り子が

  時を彫琢しては

  夢に黒百合を添え

  母子を優しく誘う


  茫漠の悲しみと

  永久の慈しみと

  煉獄の花園から来た天使が

  羽衣の裾を引き摺り

  レムニスケートを描く


  真鍮の貝が開くとき

  夜の夢は醒める

  聖堂に朝日が昇るとき

  遍く模細工が

  黄金に輝くとき

  ピエタの姿はない


  ただ槌うつ音と

  鑿にぎる人あり


  タナトスとヒュプノスに

  寄り添われて

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ