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プロゲーマーを目指していた俺、妹はアジア最強の配信者でした。  作者: 城ヶ崎大地


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第57話 空間認識能力

「43位……これか……」


 俺は前回のランキングを確認すると、『YUKI』の名前が刻まれていた。

 まあ薄々そんな感じはしていたけど、こんなに強いとは思わなかった。


「っていうか、悠也君ってランキング2位のYUUですよね??」


「……ち、違うよ〜」


「隠さなくていいですよ。一目でわかりました。なんというか、私とは次元が違いました……さすがプロゲーマー」


「……お、おう」


 なんか思っていた反応と違った。


(てっきり、あいうえと距離が近いの羨ましいとか言われると思った……)


「あ、そういえばあーちゃん推しなんですよね!! この前のコラボ動画の撮影どうでした??」


 この間、俺と彩音と可憐のデート疑惑を解消するために作ってもらったコラボ動画のことを、雪奈に突っ込まれた。


「……最高だったよ」


「羨ましいです〜。推しとコラボできるなんて……」


「まあコラボと言っても企画で一緒にゲームしただけだし、あれ以降連絡は取ってないよ」


「え〜、そうなんですか。勿体ないですね……」


「あはは……」


(彩音たちとリアルでも知り合いだということは、言わないでおこう……)


 俺はそう言って、誤魔化した。


「まあそんなことはさておいて、次の試合をするよ」


 俺は深く突っ込まれないように話を切り替えて、ロビー画面で準備完了ボタンを押した。


「あ、はい! わかりました!!」


 雪奈もチェックを入れると、次の対戦相手が決まり、試合が始まった。


    ◇


「とりあえず、終わったな……」


「ちゃんとスキンゲットできてました!!」


 あの後、4試合をして無事に武器スキンをゲットした。


 俺は試合中に雪奈の動きを見ていたが、彼女は空間認識能力に長けている。

 雪奈はとにかく目の使い方が上手い。索敵能力はもちろん、敵との適切な距離感、ポジション取り、ピンチになったときに退く判断、それに俺や味方の位置を考えて行動している。


 エイム力は彩音や可憐に劣るが、チャンピオン(最高ランク)では上位クラスで普通に上手い。


 ただ、一緒にやっていて引き気味というか、遠慮した感じのプレイをしているようにも見えた。

 アシスト役というか、キルを取りにいくというよりも味方の援護を優先している感じだ。


 確かに補助役は重要な役割なのは間違いない。ただ、カジュアルマッチはランクポイントなど関係ないモードなので、わざわざ補助役をしなくてもいい。


 まあ、楽しみ方は人それぞれだから気にすることでもないとは思うが、俺は自分が敵をキルすることが一番楽しいと思っているし、大半のプレイヤーもそうだろう。


「そういえば、雪奈ってソロでやっていたの??」


 ふと疑問に思ったので、俺は雪奈に質問した。


「最初は、SNSで募集をかけてやってたんですけど……まあ、いろいろあって……」


 雪奈は何かあったような感じで俺に言った。


「……そっか」


 SNSのランク募集は良くない場合も多々ある。

 もちろん優しくてポイントを盛れる場合もあるが、人間である以上そんな良い面ばかりとも限らない。


 例えば、優しそうだからと組んだら、試合中に暴言や害悪行動をしてくる――そんなこともある。

 俺は完全ソロでやっていたので遭遇したことはないが、FPSゲームなのでそういう人種は一定数いる。


「とりあえず、武器スキン見に行きましょ!!」


「そうだな」


 俺たちはロビー画面でフリーマッチを選び、射撃訓練場に行った。


「おお、すげぇ……かっこよ」


 初期スキンは黒を基調としたカラーリングだが、今回のスキンは黒と白で塗装された近未来チックな雰囲気のスキンで、かなり気に入った。


「確かにこのスキンかっこいいですね!!」


「うん。今日は手伝ってくれてありがと」


 俺は雪奈に感謝を伝えた。


「いえいえ、私も欲しかったので!!」


「それは良かった。んじゃあこの辺で解散するか」


「……最後に聞いてもいいですか??」


 俺がパーティーを解散しようとすると、雪奈が何か言いたそうに口を開いた。


「いいよ、どうした??」


「悠也君は、完全ソロで2位になったんですよね??」


「うん」


「どうして、パーティーを組まなかったんですか??」


「何故って……ん〜、まあ俺が昔やってた他ゲームでさ、クランに所属してたんだけど、色々あって喧嘩みたいになったのがトラウマになったからかな」


 俺は雪奈に昔あったことを話した。


「そうだったんですね……嫌なことを思い出させてしまって、ごめんなさい……」


「いや、別にもう気にしてないからいいよ。当時の俺がガキだったっていうだけだし……今となっては笑い話よ」


「……悠也君って、強いんですね。いろいろと……私とは大違いだ……」


 雪奈は声を震わせながら、俺に言った。


「……悩み事あるなら聞くよ」


 俺はそう言って、訓練所の岩にアバターを座らせた。


「私の愚痴になっちゃいますけど、それでもいいんですか??」


「FPSゲームやってて、愚痴の1つや2つは誰だって言いたくなるもんだろ」


「悠也君は優しいんですね」


「そうか??」


「はい!! 悠也君になら話せます……」


 雪奈は、俺のアバターが座っている岩の横に腰掛けて、悩みを話し始めた。

読んで頂きありがとうございます!!

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