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プロゲーマーを目指していた俺、妹はアジア最強の配信者でした。  作者: 城ヶ崎大地


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第49話 兄妹

 俺が買い物をして彩音の所へ戻ると、彩音は傷口を押さえて、泣き目になっていた。


「買ってきたぞ。バイ菌とか入ると良くないから、あんま触るんじゃないよ」


 俺は水をタオルにかけて、傷口を優しく拭いて絆創膏を貼って応急処置をした。


「よし……これで大丈夫」


「ありがと、お兄ちゃん……」


 彩音は靴下を履いて立ち上がろうとした。


「痛っ……」


「無理すんな、とりあえず痛みが引くまで休憩しよう」


 俺は彩音の隣に座ってスマホを開き、靴擦れを早く治す方法を調べた。

 調べてみたが、自然治癒が一番早いみたいで、特にこれといった対策は見つからなかった。


「ごめんなさい……」


「ん??」


「せっかくお兄ちゃんと買い物に行けたのに、私が怪我したせいでお兄ちゃんに迷惑かけちゃって……」


 彩音は申し訳なさそうに俺に言った。


「別に謝ることでもないさ。怪我はいつ起きるか分からない。たまたま運が悪かっただけだ」


「……」


 彩音は、俺の袖をぎゅっと握った。


「どうした??」


「……私、足が痛くて動けない」


「そうだな……」


「1人にしないで……」


「別にどこにもいかないよ」


 何気に初めて、彩音が俺に弱音を吐いた気がする。


 しばらく無言が続いた。彩音は相変わらず足を抑えていて、痛そうにしている。


「まだ痛むか??」


「うん……」


「そうか……ずっとここに居てもあれだし、とりあえず家に帰ろう」


 俺は彩音の前に行って腰を下ろしてしゃがんだ。


「恥ずかしいかもしれんが、我慢してくれ」


「えっ……」


 俺が彩音におんぶをすることを提案すると、彩音はびっくりした。


「わ、わたし、重いと思うよ……??」


「いや、その体型で重い訳ないだろ……それにこの間の筋トレで多少力がついたから、出来ると思う」


「でも……お兄ちゃん、いいの??」


「別に妹をおんぶするくらい、なんとも思わない。それに肩を貸すでもいいけど、もう片方の足に負荷がかかって怪我したらあれだしな……」


 俺がそう言うと、彩音は靴を脱いで俺の背中に乗った。

 俺は彩音の靴をドラッグストアで買った袋に入れた。


「だ、大丈夫??」


 彩音の体は思っていた通り軽くて、すんなり持ち上がった。


「この前持ったダンベルより軽いな……」


「もう……お兄ちゃん、女の子に体重の話はしないでよね。モテないよ〜」


「デリカシーなくてすまん……よいっしょ……」


 俺は彩音の足を持って、彩音をおんぶした。

 足を持つ手に、彩音の買った服の入った袋やドラッグストアの袋を引っ掛けて持っているが、それほど重く感じない。


 最近の未来視練習に彩音が入れた筋トレが、まさかこんな所で役に立つとは思わなかった。


「両手が塞がっているから、しっかり掴まってろよ」


「うん……」


「んじゃあ、歩くぞ」


 俺は彩音をおんぶしながら歩き出した。

 周りのお客さんに見られているが、別に何とも思わない。


「ねぇ、お兄ちゃん……」


「ん??なんだ??」


「ありがと……」


 彩音は俺にそう言って、頬を俺の首の後ろにくっつけた。

 俺は甘える彩音が可愛くて、顔が少し赤くなった。


「別にいいよこのくらい……何度も言うが感謝されるほどのことでもない」


「でも、私どうしたらいいか分からなくてパニックになって……もし、お兄ちゃんがいなかったら、ここで一生を終えることになってたかもしれないし……」


「さすがに一生を終える前に治るだろ……そうだな、もしも俺がいない時に怪我しちゃったら、俺に連絡を入れてくれ。すぐに向かうから」


「お兄ちゃんは救急車??」


「彩音専用の救急車だな」


 俺が彩音にボケると、彩音はふふっと笑った。

 そんな会話をしていると、タクシー乗り場に着いた。


 俺は彩音を後ろの席に下ろして、前の席に座って運転手のおじさんに住所を教えた。


 10分くらいで家に着いた。

 俺は運転手の人にお金を払って、彩音をおんぶして玄関の前まで行った。


 鍵を開けて中に入ると、母さんの靴はなくて、買い物に行ったというメモがあった。


 俺は茶の間にあるソファーの前に行って、腰を下ろして彩音を座らせた。


「とりあえず、ここに座ってろ。俺は早く治る薬とかないか探してくるから、何かあったら呼んで」


「わかった〜」


 俺は薬箱を取りにキッチンに行った。

 キッチンの棚を開けて、薬箱を取って彩音の元へ戻った。


「靴擦れって、何を塗れば治るんだろ……」


「オロ〇インがこの中だったら、治るみたい」


「そうなんだ。彩音は詳しいんだな」


「いや、さっきタクシーに乗ってる時に調べたんだよ」


「なるほどな……」


 俺は彩音の靴下を脱がせて、絆創膏を剥がしてオロ〇ナインを手に取った。

 俺が彩音の足に薬を塗ると、彩音は泣き目になりながらも、声に出さずに我慢していた。


「よし、これで大丈夫」


 俺は薬を塗った後、絆創膏を上から貼ると、彩音は俺の額にキスをした。


「は??」


 俺は状況が理解出来ず、一瞬固まった。


「お兄ちゃん、今日はありがと」


 俺は後ろを向いて、薬箱を持って立ち上がった。


「なっ……何かあったら、俺を呼んでくれ!! とりあえず、俺はゲームしたくなったから部屋に行く……」


 俺は薬箱を持って茶の間を出た。


「……別に深い意味はないよな」


 俺は独り言を言って、自分の部屋に向かって歩き始めた。

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