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プロゲーマーを目指していた俺、妹はアジア最強の配信者でした。  作者: 城ヶ崎大地


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第30話 推し

 第1試合、4Tとの試合が始まった。

 マップは以前有栖ちゃんと戦った密林地帯。4対4の撃ち合いモードのため、俺たち4人はスタート拠点にスポーンした。


「密林か……YUU君、どこのポジション取る??」


「ん〜、おそらくですけど、タンク4枚だと木々を飛び回る俺やクローズさんのキャラの動きについてこれないから、密林廃調査基地か、マップ中央のボート使わないと行けない離島のどっちかだと思うんすよね」


 俺がクローズにそう言うと、PASERIさんがこっちに来るようにマップピンを指した。


「この先にビーコンがある。とりあえず少し移動しよう」


「そうですね、あと2分くらいで使えるんでやっちゃいますか」


 俺たちは拠点から少し離れた、墜落した人工衛星の場所へ向かった。


 このゲームは2人以下、3人以上でマップの広さが変化する。3人以上の時はマップの広さが2倍になる。

 某有名FPSゲームと違い、安置ダメージのようなシステムがないので、開始5分からは各マップの決まった位置にある墜落した人工衛星からスキャンができる。

 30分以降はマップに敵の位置が見えるようになるが、強いポジションで待たれている場合や、1時間で強制終了(体力や残り人数の差で決着)になるので、早めに位置を知っておくのが得策だ。


「んじゃあ使うんで、皆さんはマップ見ていてください」


 PASERIは人工衛星のパソコンを起動した。

 起動するとパソコンのモニターが光り、空にレーザービームのようなものが飛び、マップに敵の場所が映し出された。

 俺がマップを開くと、4Tの居場所は基地跡地と表示された。


「基地跡やん!! どーするよ!!」


「まあ基地なら強いポジションはある程度決まってるんで、俺についてきてください」


「了解」


「おけっす」


「お、頼りになるぅ〜」


 俺たちは基地跡に向かって歩き出した。


     * * *


「スキャンきたな……だが俺たちの場所を正確には特定できん。とりあえず飛龍の死骸上にポジションを取るぞ」


「了解です、リーダー」


 相手はあいうえクランと共にプロリーグに入ってきたガキ。俺たちの相手にもならん。


(いくらソロ最強とはいえ、チーム戦のゲームだ。俺たちの鉄壁を崩せるわけがねぇ)


「リーダー、配置につきました。このセンサーを通ったら一斉射撃をします」


「よし………衛星からここまでの距離的にそろそろだろう」


 4T全員が研究所の中にある、巨大な飛龍のある部屋で待ち構えていると、入り口のセンサーが反応した。

 4Tの全員はドア目掛けてマシンガンを連射した。


 鋼鉄の弾丸は2人の男に直撃し、PASERIとスパイダーを撃破した。


「どははは、ざまあああああ!!」


「リーダーやりましたね、残り2人ですよ。どうします??」


「追ってもいいが、このままここで耐久してたら勝ちだし、芋っていいだろう!!」


「わかりましたリーダー。私らは下で引き続き監視しとくんで、いつもの至福の一服してていいっすよ」


「いいか?? まあここに突っ込んでこないだろうから、一服するぞ」


 リーダーはそう言って、一瞬イヤホンを外してタバコに火をつけた。

 タバコを口に咥え、イヤホンを付け直すと、下の方から足音がした。


「なんだこの足音は??」


 リーダーが足音に気付き、咄嗟に銃を足元から拾った瞬間、サブマシンガンの音がして仲間3人の体力ゲージが0になった。


「ぐはぁぁぁっっ ば、化け物……」


 リーダーが飛龍の頭部分から首の方を見ると、仲間の1人が断末魔をあげて消えていくのが見えた。


「おいおいおい……冗談だろ……?? こりゃ……」


「いやつーか、お前らよっわいな……これがプロ?? あっ芋ムーブで勝ってきたんだからそりゃ弱いか……」


「クソガキが、このやろおおおおおおお」


 リーダーは頭に血が上り、YUUに向けてマシンガンを放った。

 放った弾丸をYUUは首を左右に振ってよけ、腰に装備してあるナイフホルダーからナイフを取り出し、リーダーの心臓部分に突き刺した。


「お前……何者だ??」


「あんたの言う『クソガキ』だよ??」


「ははは……今年のプロリーグは楽しくなりそうだ……」


 リーダーはそう言うと、体が消滅し4Tは全滅した。


     * * *


「勝ちましたね、YUUくん」


 俺が飛龍の上で座っていると、クローズが足部分から登ってきた。


「まあここ勝つのは、当然ですよ」


 俺がそう言うと、やられた2人がボイスチャンネルに戻ってきた。


「お前……よくSNSでヤバいやつって言われてるけど、性格本当に終わってんな……」


「勝ったからいいけど、ガチ恋勢キモすぎ……」


 PASERIとスパイダーはキレながら俺にそう言った。


「いや、おめぇらがあちゃんは彼氏いる、絶対に裏で性格悪いとか言うからだろ」


「YUUくんって、あちゃんガチ恋勢??」


「違います」


     * * *


 時を遡ること数分前、俺たちは飛龍の広場の前に到着した。


「これ罠じゃね??」


 スパイダーが扉の前で立ちながらそう言った。


「まあほぼ100で罠だろね。どうする?? ここの通り道ここのドアしかないけど」


「まあ10分くらいここで待って、出てこなそうなら1人犠牲にして3人で侵入で」


 俺はそう言って、ドアの前で座った。


「まあ暇だし、PASERIさん、あいうえクラントークといこや!!」


「いいね〜」


 スパイダーとPASERIが話を始めた。

 俺はボロを出さないよう話に入らず、興味ないふりをした。


「ってかさ、あちゃんはめっちゃ可愛いけど、あれ絶対彼氏いるよね??」


(は?? 彩音に彼氏なんていないが?? ……いないよね??)


「わかる〜 みんなに優しいけど裏で彼氏とえっっなことしてるって噂あるしな……」


(殺すぞ)


「それな〜 俺も最高ランカーやしワンチャン、やってくれんじゃね??」


(絶対に殺す、今すぐ殺す)


 俺は心でそう誓い、PASERIとスパイダーの背中を蹴って、罠であろう扉のところへ吹っ飛ばした。


「「は??」」


「言ってなかった。彼女は俺の『推し』だ。悪口は二度と言わせねぇ」


 2人はマシンガンで大量のダメージを受け、即死した。

 クローズは立ち尽くし、状況が理解できずにいた。


「ぐはっ……お前、何してんの??」


「何って、粛清だが」


「は?? 意味わかんな、PASERIと俺いなかったら負けるやろ。バカか??」


「いや人数合わせだから、お前らとかそこら辺の野良と同じ。じゃあな……」


 俺がそう言うと、2人の体が消滅した。


「クローズさんは、あちゃんのことどう思う??」


「と、とっても素晴らしい方だと……俺も推しです!!」


 俺はその言葉を聞いて、クローズの足を蹴って転ばせた。


「同担拒否。お前はそこに座ってろ。俺1人で十分だから」


「そ、そんな……」


 俺はクローズにそう伝え、4Tに向かっていった。

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