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プロゲーマーを目指していた俺、妹はアジア最強の配信者でした。  作者: 城ヶ崎大地


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第28話 俺たちはプロになった

 あの日から時間が経過し、ついにアジア予選の練習――通称『スクリム』の1日目となった。


 彩音との関係はあの日から特に変わらず、いつも通りの兄妹って感じだ。

 複雑な関係になることがなくて本当によかったと思うが、いつか本心を言うつもりだ。


「俺たちもようやくプロの世界か……。まさか妹と同じ舞台で戦うことになるなんてな……」


「お兄ちゃん、私、緊張してきた……」


 俺と彩音は茶の間で、大会が始まる前にチョコレートクッキーを食べていた。

 俺は彩音の方を見ると、彩音は緊張で震えていて、黒いフリフリのワンピースの袖が揺れていた。


(彩音でも緊張するんだな……。まあ前回の大会はあくまで『アマチュアの大会』、今回は『アジアリーグ所属のプロチームTOP20の大会』。いくらこの前優勝したとはいえ、緊張しないはずもないか……)


 彩音たちのチームはここ1週間、配信をしていなかった。

 理由は「他のチームに動きを教えたくないため」と言っていたので、俺はてっきり秘策があって余裕なんじゃないかと思っていたから意外だった。


 俺は彩音を落ち着かせるために、冷蔵庫からペットボトルの水を持ってきて彩音に渡した。


「ありがとう、お兄ちゃん」


 彩音は水を飲んで、深呼吸をして緊張をほぐした。


「緊張してると本来のポテンシャルを発揮できないからな……。どうだ、少しは落ち着いたか??」


「うん〜、だいぶよくなったよ!! お兄ちゃんは緊張してないの??」


「少しは緊張してるけど、俺は3日前から組んでる人達とランキングポイント盛れてるから、あんまり緊張しないな……」


 結局俺はメンバーが見つからなかった。

 仕方なくSNSで募集をかけたら、rallyに目をつけられていたことや大会で2位だったことで反響があり、前シーズンのランキング30位を2人と14位の人から連絡があって組むことになった。


 そこそこ界隈では有名な方々で、俺があらかじめ優しそうな人を選んだので、もし今回うまくいけばこのまま世界大会も行こうと考えていた。


 前日までランキング戦を何度か回していたら、アジア150位くらいから40位まで上げることができたので連携は取れている。


 こんなにポイント上げの効率がいいなら、最初から組んでいたら彩音を超えてアジアトップになれたんじゃないかとさえ思ったが、ソロでやったことに意味があったのは事実だから後悔はない。


「そうなんだ〜。あ、対戦カード出てるよ〜」


 今回の大会練習は20チームの中からランダムで3チームと戦い、戦績や内部レートで順位が決まる。

 練習大会なので景品などはないが、アジアのプロチームにどのくらい通用するかの指標になるから高順位を狙うつもりだ。


 ただ、俺と彩音は新規のチームなので内部レートがない。

 他のチームは昨年行われた第1回世界大会の練習スクリムがあったので、微量だが内部レートがある。

 だから俺たちのチームが仮に内部レート最強チームに勝って3連勝しても、よくてスクリムの総合ランキング6〜8位くらいだろう。


「俺らの相手は『4T』か……。前に見た予選大会の動画にいたな……。えっと、前回の世界大会は最終17位。ギリギリ、プロリーグ降格しなかったとこか……」


 4Tの正式名称は「タンク、タンク、タンク、タンク」。

 文字通りタンクキャラ4人のチームで、守りが硬いことで有名だ。

 前回大会は陣取りモード、タンクの採用が少ないプロリーグの初見殺し枠で参戦したチーム。

 対戦相手によってメンバー全員が交代で指示を出す、ローテーションIGLという対応力が特徴とも書いていた。


 ただ、2回目のスクリム以降対策が進んで、最終的に通りが悪く世界に行けなかったと前回大会のブログに書かれていた。


(前回17位、おそらくだがこれに勝たないと通用しないな……)


 前回大会の下位チームに勝たなきゃ、アジア予選の通過できる2枠には入れないだろう。


「彩音の対戦相手のチームはどこのチーム??」


「えっとね……。『スカイ』ってとこ。私プロチームわかんないからあれだけど、強いの??」


「マジか、結構有名だぞ……」


 スカイ――韓国の強豪チーム。

 リーダーのブルー、副リーダーのグリーンのトークが人気で、配信サイトの登録者も彩音と差がない。

 実力も前回順位5位で、あと数歩のところで行けなかったくらい強力なチームだ。


 俺は彩音にスマホでブログページを見せた。

 彩音は俺のスマホの画面を見ても、知らなそうな表情を浮かべていた。


「へ〜、有名なチームなんだ。知らなかった〜」


「一応アドバイスしとくと、AKライフルのキル数世界1位のブルーに気をつけろよ……」


「そうなんだ、わかった!! ありがとね!!」


 彩音はそう言って、最後の1枚のクッキーを食べて食器を食洗機に入れた。

 俺は椅子から立ち上がり、彩音の前に握った手を差し出した。

 彩音も握った手を俺の手にくっつけた。


「んじゃあ、彩音。もし戦うことがあれば……俺は負けないよ!!」


「うん!! 私も負けるつもりはないよ!!」


 俺と彩音は茶の間を出て、お互いの部屋に行ってゲームを起動した。

読んで頂きありがとうございます!!

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