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プロゲーマーを目指していた俺、妹はアジア最強の配信者でした。  作者: 城ヶ崎大地


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第21話 お兄ちゃんのへんたい……

「よし……始まったな」


 俺は空中神殿の近くにある噴水エリアにスポーンした。


「つかさっき気づいたけど、大会の試合中の音声、配信の方に入ってないから本名呼んでも大丈夫で良かったんだな……試合中ボロ出そうだったから助かるなあれ」


 さっきの有栖との試合中、適当にごまかしたのを確認しに配信を見たら、音声が入っていなかった。

 運営の配慮なのか……まあ何にせよ、嬉しい。


「さて……彩音は……って、やば……」


 俺は微細な風を切る音を聞き、噴水の裏に体を隠して体勢を低くした。


「あ、えっと……YUUさん?? こんにちは〜!!」


 サブマシンガンを持ってヘルメットをかぶった軽装備の彩音が、目の前に現れた。


 俺はここまで接近されるとは思わなかったので、スモークグレネードを地面に投げて距離を取った。


「これ配信に音が入らんみたいだから、本名でいいよ、彩音!!」


「そうなの?? んじゃあ、お兄ちゃん、倒すね!!」


 彩音はスモークで隠れて走っている俺めがけて、サブマシンガンを放った。


「は??」


 放たれた弾丸が一発当たった。

 俺は走る方向を変え、神殿の方へ走った。


(多分あのまま同じ方向走ってたらやられてた……おそらく、適当に撃って当たったらダメージ音を聞いて位置を特定する。ここは距離を取ろう……)


 このゲームはキャラメイクで性能が分かれる。

 俺はバランス型の青年キャラ、体力もスタミナも平均値で、いわゆるオールラウンダー。

 対する彩音は小柄。小柄は小回りが効く代わりに、HPとスタミナが少なめ。

 どこに彩音がスポーンしたかは分からないが、少なくとも開幕潰しでスタミナは多く消費している。俺が強いポジションまで移動するのを追うのは不可能だろう。


「どんくらいスタミナ残ってるか分からんが、あのまま戦うのは返り討ちにあってた……我ながらいい判断だと思う」


 俺は少し走って、神殿に着いた。

 そして神殿の入口と裏口に、透明なレーザーの検知装置を設置した。


「足跡でどーせバレてるだろうし、あえてステージギミックは起動しないでおくか……」


 この神殿には侵入者を迎撃するレーザーがある。

 ダメージは大したことないが追尾してくるため、いわゆる“ウザい装置”で、ないよりマシってやつだ。


「とりあえず、この階段上のポジションまで行くか」


 俺はこの神殿内の柱の裏に体を隠して、彩音を待つことにした。


(つか彩音、今回はヘルメット買ってるのか……俺や美佳ちゃんと戦う時しか買ってなかったし、これもしかして俺のこと強いって思ってる……? 嬉しいな〜)


 俺が脳内で自意識過剰な妄想をしていると、神殿の入口に置いておいたセンサーが反応した。


 センサーが反応した瞬間、俺は柱の裏から彩音に向かってサブマシンガンを撃ち込んだ。


「こっちだろ!!」


 彩音がステージギミックのレーザーと俺の弾丸を避けると予想して、俺は奥の柱にエイムを合わせて弾丸を放った。


 放たれた弾丸は彩音のへその部分に当たり、防弾チョッキの一部が砕けた。

 リアルの彩音に似せたアバターの、へその部分が露出した。


「なっ……」


「きゃあっ…… お、お兄ちゃんのえっち……!」


 彩音が恥ずかしそうに言ったので、俺は思わず目を隠して後ろを向いた。


「す、すまん……って違うだろ!! 俺は心臓めがけて撃ったんだって!!」


 俺は後ろを向いたまま、手をTの形にした。


「タイム!! 真剣勝負だ、一旦仕切り直し!!」


「ご、ごめん!! キャラメイクの時、リアルに近い感じで作ったから思わず……ちょっと待ってて。いいよ」


 彩音が了承したので俺が正面を見ると、防弾チョッキの内側の黒いインナーを伸ばして、へそが見えないように隠していた。


「よ、よし……んじゃあ俺はあっちの柱、彩音はそっちの柱からスタートで」


「う、うん!!」


 なんというか、本当にランキング1位と2位が戦っているのか分からなくなってきた。

 配信はこの状況に音声が入っていないので、さらにシュールというか……なんとも言えない雰囲気になっているだろう。

 いやむしろ、彩音のおへそが全世界初公開ということで、逆に盛り上がっているかもしれない……そんな複雑な気持ちだ。


 俺は柱の裏についてサブマシンガンをリロードした。


「いいか??」


「うん!! いいよ」


 彩音が準備できたことを確認できたので、俺は柱の裏から体を出し、彩音のいる柱をスコープで覗いた。


「そういや、彩音はこの距離でも……」


 スコープの倍率を変えている途中、彩音のいる場所から無数の弾丸が飛んできた。

 俺は咄嗟に柱の裏に身を隠した。

 ダメージは受けなかったが、この距離でも倍率変えなくても正確に当てられるというだけで、十分すぎるほど脅威だ。


「おま、サブマシンガンだぞ!! なんでアサルトライフルみたいなことできんだよ!? 得意とかのレベルじゃないだろ、おかしいだろ!!」


「え〜、お兄ちゃんもしかして出来ないの??」


「……あのな、サブマシンガンはこうやって使うんだよ」


 俺はそう言ってスタングレネードを彩音めがけて投げた。

 彩音はグレネードが投げられた瞬間、後ろを向いて距離を取った。

 俺はパルクールの動作をして彩音との距離を詰め、背中めがけて発砲した。


「どうだ!!」


 彩音は俺の弾丸をスライディングで回避し、石像の裏に身を隠した。


「危なかったよ〜、さすがお兄ちゃん!」


「いやこれ避けるのかよ!! さすがはアジア1位だな……」


 俺は飛び乗った柱から降り、彩音の隠れている場所めがけて飛び込んだ。


「なっ……いない……」


 俺が柱の裏に飛び込んだ瞬間、彩音は壁を蹴って飛び上がり、俺の脇腹めがけて蹴りを放った。


「有栖ちゃんとの試合を見て理解したの。お兄ちゃんの動きってこうやるんでしょ??」


「理解すんの早すぎだろ……この天才が……」


 俺の体は吹っ飛ばされ、龍神の石像に激突し、体力が半分近く削れた。

読んで頂きありがとうございます!!

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