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五十九話

 やばいゲーム楽しい。この兄妹二人ともゲーム上手すぎる。


 心から楽しんでしまい、あはは、と笑い声をあげてしまう。いかんいかん、深夜に大きな声出したらご近所迷惑だ。

 慌てて自分を諫めるものの、しかし頬は緩んだままで。


 1、2戦だけと言って参戦したはるかくんだが、やり始めれば楽しくなって辞め時が分からなくなるのがゲームというもの。結局ずるずるともう一戦、もう一戦と続けている内にとっくに日付が変わっていた。


 画面の中では私たちのアバターが丸い木製テーブルを取り囲んではアホみたいに酒を飲むモーションが映し出されている。あ、葵ちゃんのアバターがぶっ倒れた。


『……うわ、もうこんな時間か』


「いやぁ、なんだかんだやりこんじゃいましたねぇ」


『まだ1時じゃん!もう一戦行こうよ!』


 何となく解散の雰囲気になるものの、葵ちゃんがいやだいやだと駄々をこね始める。ううん可愛い。だけども明日も仕事なんだよなぁ。流石に5時間は睡眠時間確保したいのだ。認めたくないが我アラサーに片足突っ込んでいるが故に……。


 最近オールが厳しくなってきた自身の衰えにがっくりする。どうやらはるかくんも同じようで、欠伸を噛みしめながら『毎日休みみてえなお前とは違うんだよ……』と眠そうな雰囲気を醸し出していた。


『むううう……じゃあ明日も!明日もやろ!ね、鈴ちゃん!』


「うん、いいよ。やろうね」


 ボイスチャット越しでも伝わるくらい不服そうな葵ちゃんの言葉に思わず笑みを零す。決して葵ちゃんは私の妹ではないが、でももし妹が居たらこんな感じだろうかと考えてしまう。

 こんな風に甘えてくれる妹が居たらきっと楽しいだろうな。実家にいる弟はこんなに可愛くないし……。実家に帰る度、おかえりよりも先に「土産は?」と無愛想に要求してくる生意気な肉親を思い出して目が死んだ。


『やった!遥もだからね!』


『あーはいはい』


 適当に返事をするはるかくんと、それに怒った声を上げる葵ちゃん。相変わらずな二人の様子にくすくす笑いながら缶を煽りお酒を飲み干すのであった。






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