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46話

「ん」


「あ」


 パンプスのヒールが床を叩く音が聞こえて振り返ると、スマホから目を上げるお姉さん……すずさんと目があった。

 コンビニに入って真っ直ぐにお酒売り場に歩いてきた彼女は、エナドリを物色する俺に微笑む。


「こんばんは」


「どうも。……あの、葵がすみません。興奮して纏わりついてしまったようで」


「いえいえ。私もゲーム友達ができて嬉しいです」


 気まずい心境で兄として謝罪をするが、ニコニコと人の良さそうな笑顔で首を振られた。本当に嫌と思っていなさそうな表情にひとまず安堵する。


「でもアイツ優しくするととことん調子乗るんで。ウザかったら無視して大丈夫ですから」


「ふは、すごいこと言いますね。大丈夫ですよ。今日もこれからゲームする約束してるんです。葵ちゃんゲーム上手なんで楽しいですし」


「アイツ、ゲームに命捧げてますから……。どっちかっていうとゲームの合間に就活してる感じです」


「想像つきますねぇ」


 他愛もない会話をしながらエナドリと手に取る。ふと、酒を吟味していた彼女が俺を見上げた。


「は……お兄さんはしないんですか?ゲーム」


「しますよ。ただ今は葵にテレビ取られることが多くて」


「ふふ、なるほど」


「す……お姉さんが言ってたエルダもやりたいんですけどね。アイツの前でやると指示してきてウザいんです」


「仲良しですね」


 くすくす笑うすずさんはやっぱり葵と違って大人な雰囲気を醸している。


 果たしてあの万年小学生がこんな落ち着きを得る日は来るのだろうかと遠い目をしていると、カゴを酒でいっぱいにしたすずさんは肩越しに俺を振り返った。


「今度お兄さんもやりましょうね?」


「は……」


 流し目と共にひらりと手を振って会計に向かう背中に硬直する。



……20代前半の俺だったら絶対勘違いしてたな、今の。





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