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薔薇を枯らすためのアリス  作者: 八幡丸もんじゅろう
アリス入隊編
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ep.4 本名は明かさないで

 「お見苦しいとろこを見せてすみません、、、」


居場所がある。それを知り安堵して泣いた私の背中を白の女王はずっとさすり続けてくれていた。


「いいのよ。それよりも心細いだろうに私達を信頼してくれてありがとう、必ず守ってみせるからね」


優しく慈愛に満ちた眼差しで私を見て、温かい言葉を投げかけてくれるこの人は女王というより


「女神様みたい」


心の声が口から出ていた。

少し驚いたように目を見開いた後、彼女は照れくさそうだが嬉しそうに視線をキョロキョロしたあとニコッと微笑んだ。私が黒い薔薇が人間になったと言っても顔色1つ変えなかった彼女は、褒められると感情を見せてくれる。素の状態を見せてくれているようでなんだか嬉しかった。


「そう、そう。あのね、ここ、アリスではみんな役職が名前になるから本名はお互い知らないの。もっと言えばお互い本名は言わないルールなの。だからあなたも役職が与えられるからそれまで名前は待っててね!」


「名前を知られてはいけないんですか?」


今まで読んできた漫画やアニメでも本名を知られてはいけない。みたいなシチュエーションがあった。もしかしたら本名を知られたら私は家に帰れないかもしれない。そんな不安が過った。


「知られたからと言ってペナルティや危険が伴う訳ではないの。ただ、、、」


白の女王は床の方へ視線を下げ、続きの言葉を言いづらそうにしている。何か恐ろしいことでも起きてしまうのだろうか?緊張しながら言葉を待つ。


「ただ、本名は愛着が湧くからね。」


寂しげな表情で微笑む女王。なんとなく察してしまう。ここの組織では死が隣り合わせなんだと、みんなみんなみんな、あのおどろおどろしい薔薇のような何かと戦っているんだと改めて理解した。

何人も見送っているんだ。それでも悲しんでいられないから名前は伏せてるんだ。


「大丈夫よ!本名は聞かないけれどあなたに役職がつくとしても非戦闘員としての役職を振るからね!ここは危険と隣り合わせな組織だけど命を軽んじてる訳じゃないし個人の意見はちゃんと尊重するから」


意外!こういう組織だともっと殺伐としているのかと思っていたから想像と違ったな。でも私は運動神経が良いわけでも武道の心得がある訳でもないただの平凡な人間だから戦わなくていいならその方がありがたいなぁ。

それにこの人と一緒なら安心できるしここで働きたいな


「あの、私、、、白の女王さんと一緒にいたいです。医療の知識はないんですがそれだとダメですか?」


「まぁ、そう言ってくれるなんて嬉しい!ありがとう!でもごめんなさいね。私と一緒のチームは難しいの」


申し訳なさそうに女王は言う。そりゃそうだよね、こんなに素敵な人。絶対に組織の中でも優秀な内の1人だろうし、私なんかが隣に立たないよね。そもそも私じゃ役に立たないだろうし、、、


「医療のお役に立てないのに烏滸がましいことを言ってしまってごめんなさい、今のは忘れてください!!」


「あ〜!違うのよぉ、ここは医療従事者じゃなくても希望者は医療チームに派遣されてそこのチームで1から学ぶことが出来るのよぅ〜!だからね、あなたが医療希望ならもちろん入れるわ!」


「それに私と一緒にいたい。って言ってくれて嬉しいわ、頬が緩んでしまう」


ニコニコと笑顔で嬉しさを表現してくれる白の女王。

だけど、私じゃこの人と一緒にはいられないんだなと思うと少し寂しさも感じてしまう。


「医療希望で後衛部隊ならドーマウスの所かな〜」


「ドーマウスさんも医療チームの方なんですか?」


「そう!ドーマウスはそこのリーダー!いつも眠たげだけどしっかりしてるし、物腰も柔らかいから安心して」


「女王さんがそう言うならきっと優しい人なんでしょうね、少し安心しました!」


「本当は私も一緒にいてあげたいけど、、、私のチームは」


「戦闘班なの!」


ふふふと笑いながら腕の筋肉を見せてくれる彼女はムキムキだった。

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