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薔薇を枯らすためのアリス  作者: 八幡丸もんじゅろう
マッド・ハッター 体力づくり編
26/26

ep.26  シャボン玉が得意。ただそれだけ

 「シャボン玉キラキラだね~!じょ~ず!!」


お母さん、、、!


心細さから母を思い出すとシャボン玉を褒められた記憶が鮮明に蘇り懐かしさから目の奥が熱くなる。


「いや、でもっそんなのダメですよね」


「シャボン玉か~!沢山吹くの肺活量いるしそこも鍛えなきゃね!」


ハッターさんがメモをとる。こんな案でも受け入れてくれる。

なんだか私自信を受け入れてもらえた気分になる


「どうしてシャボン玉なの?」


「あ、えと、。これが一番最初に母に褒められた幼い記憶なんです。嬉しくてつい」


「そう、素敵ね。いいと思うすごく、、、」


ひいさんが私の手を握る


「これはおまじない。あなたがおうちに帰れますようにって。自分の過去を自分を忘れちゃだめよ。

でもいつか忘れちゃう時がきたらひいが覚えておくからね」


「じゃあ、私も覚えておくね!!さくらちゃんはシャボン玉が得意でお母さんに褒められて嬉しかったって!これで帰れる確率も上がるね!」


ひいさんとハッターさんの言葉に嬉しくなる


「はい、ありがとうございます。私、薔薇からみんなを守れるように頑張ります!」


それから私たちは武器について話し合った。結論、シャボン玉の液ではなく吹く道具の方に血を混ぜることになった

この案は私が考えたのだがハッターさんもひいさんも貧血の心配がない良い案だと褒めてくれた


「よし。ではこの案で技術班に作ってもらいましょうか。ハッターちゃん今日はもう戻っていいよ。あとはひいに任せて」


「はい。じゃあねさくらちゃん!ゆっくりお風呂に入って早くベッドに入るんだよ、明日もよろしくね!」


こちらこそと挨拶をしてハッターさんを見送る。今日一日でハッターさんはずいぶんと私に柔らかい表情を見せてくれるようになった


嬉しいな


私はひいさんの案内で部屋に帰る


「ずっとついてあげられたらいいんだけど。ごめんね。私も咲月もいてあげられなくて」


「いえ!お忙しいのと思うのでこちらのことは気にしないでください!」


「ありがとう。でも気にするよ、さくらちゃんもアリスにいる子もみーんな気になる。

ひいの大事な仲間だもん」


「、、、おっともうこんな時間か。私は行くね。そう、後でもう一回顔出しに来るね。ちゃんとご飯食べるんだよ」


そう言って心配そうにひいさんはいなくなった。

私がお世話になる部屋はお昼にいた図書室のような部屋の隣だった。中に入ると食事やお風呂をはじめ備品や部屋の注意点は紙に書いて残してくれていた。


食事はここの部屋の前に運ばれてくるらしい。ノックのあと2分ほどドアを開けないようにとのことだった。一部の隊員以外と顔を合わせないようにとのことだった。


でも私、ここに来てからリーダーの方たち以外にも数人会っているんだよね。アマリリスさんとはお友達になったし!早く会って私の名前を言いたいな


食事が終わりお風呂も済ませ備え付けのキッチンでお茶を入れくつろいでいるとドアがノックされた


ひいさんかな?でも違ったらどうしよう、、、。


足音を立てないように気を付けてドアの前へ行き様子を伺う


「夜分遅くに失礼する。さくら。私は赤の女王だ。起きているなら扉を開けてもらいたい」


リーダーだ!


「はいぃ!さくらです!よろしくお願いします!」


「どうした。緊張しているのか?私の喋り方は威圧的だったか?すまない」


ブツブツと自問自答しているこの人が赤の女王、、、。威厳があるな~。


「お休みの所すまない。明日から君の教育担当をすることになったから挨拶と思ってな。

改めて私は赤の女王だ。白の女王と区別するためみんなからはクイーンと呼ばれている。

我々の部隊の役割は多岐に渡り全部を話すと混乱するので、とりあえずは風紀委員及び伝達部隊だと思っていてくれ」


風紀委員、、、。確かにその名に相応しいかっちりとした制服と態度だ、、、!


「あ、、、!ご丁寧にありがとうございます。私はさくらです。どうぞよろしくお願いいたします」


ついつい存在感に押され小声になってしまう。


こういうハキハキ凛とした性格の人って私みたいな気が弱い人間嫌いそうだな


偏見はよくないと知りつつも職場でのお局を思い出し少し警戒心が出てしまう


「これ、、、。さくらの趣味にあうかわからないがよかったら使ってくれ」


クイーンが小さな箱をくれる


「え!?そんな、ありがとうございます。申し訳ないです」


「申し訳ないと思う必要はない。聞けば自ら望んでアリスに来たわけではない。それなのに突然薔薇を枯らすために戦えと言われ疲れたろう。

何か助けになってやりたいが同じ部隊でないと付きっ切りというわけにもいかんからな、せめてものエールでプレゼントだ」


この人もきっと優しいんだろうな。第一印象で人を決めつけて線を引いて私って小さい人間だな


「あの、、、。見ず知らずの私のためにありがとうございます」


「もう仲間だろ」


目の赤さがばれないように私は下を向く


「あの、失礼かもしれませんが、いまここでプレゼント開けてもいいですか?」


「ああ、もちろんだ。少し照れくさいがな!!」


箱を開けると中にはハンドタオル、ポーチが2つに、メモ帳と筆記用具が入っていた。

どれもデザインは赤と白のギンガムチェックにレースがついた物だった。


「わっ!ギンガムチェックだかわいい!!」


「本当か!?それはよかった!!」


さっきまでの威厳のある表情から一変し、クイーンは目を輝かせホッとする


「さすが赤の女王。赤色のセンスがいいですね!こんなにたくさんの贈り物本当にありがとうございます!大切にしますね!」


「そう言ってもらえると選んだかいがあるよ。明日からの授業はよかったらそれを使ってくれ。あとな大きなお世話だと思うがこれをポーチに入れて持ち歩きなさい」


そう言ってクイーンは紙袋を出した。これの中身は生理用品だ。


「これ、、、!本当に何から何まで!このご恩は絶対に忘れません」


「ああ!違うんだ!これはアリスの備品で必要なら誰でも使っていいんだ!

でもここの勝手がわからないなかで急にきたら困ると思って貰ってきたんだ。薬は必要になったらその時に言ってくれればネムリ班がくれる。すぐに誰かを頼るんだぞ」


「今日はもう遅いからここいらでお暇する。私の授業は厳しく過酷だ。頑張れよ」


「はい!!」


いい返事だと言ってクイーンは去っていく。


こんなにいい人たちが薔薇との戦いで苦しんでいる、、、。早く強くならなくちゃ。


クイーンが帰った後、寝支度を済ませあとはひいさんを待つだけとなった。


コンコン


ノックの音がする。先ほどがリーダーだったため今回はさほど警戒せずにドアに近づく


「さくらちゃん。こんなに遅くなってしまってごめんね咲月よ~!」


「お疲れ様です!」


ドアを開けると咲月さんが微笑んで待っていた


「明日のことなんだけどね7:00に朝食が運ばれるわ~!そして8:00に赤のクイーンちゃんのがここに勉強を教えに来るから準備しておいてね~!必要な道具は後でクイーンちゃんに渡しておくわね」


「あ!筆記用具と生理用品を先ほどクイーンから頂きました!」


「あら~!あらあら!じゃあお勉強の準備は万端ね!でも他にも必要な物があったら遠慮なく言ってね

そうそう、ひいからの伝言で今日はいけなくなったらしいわ。だからもう寝なさい」


「はい!ありがとうございます!お疲れ様です」


ひいさん。まだ子どもなのにまだ働いてるの?

心配と疑問はあったが私は明日のために眠ることにした


続く

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