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薔薇を枯らすためのアリス  作者: 八幡丸もんじゅろう
アリス入隊編
18/26

ep.18 戦闘班に入りたいです

 「新人の子によって青色と呼ばれた薔薇は影に消え逃亡。新人の子が薔薇の逃げた地面に触れたら、頭に映像が流れたそうで青薔薇は黒薔薇の花びらを数枚もち去ったそう。以上が昨日の出来事よぉ」


「えぇ!その子天才じゃん!俺っちの次に」


「貴様!私語は慎め!!!」


「とりあえずは話し切ったから質疑応答があればどうぞ!女王ちゃんも答えてくれるかい?」


「わかりました。」


改めて報告を聞いてもあの子には特別な能力があると感じる。

私にはマントは見えなかったが黒薔薇を倒したあと2体目の薔薇が現れたのに気がついたのはあの子の方が早かったのだろう。だからこそ、あいつは私ではなくあの子を先に殺そうとした。


「そう。そうなの。だからねぇ、今回。この子は本人の希望とは関係なく戦闘班になってもらいたいのよ」


「それは断固として反対です!!!!!!」


「僕も戦う意思がない者を戦闘に出すのは反対です。命に関わるのを強制するべきではありません」


医療チームは直ぐに反対意見を述べる


「それに、女王の報告によれば彼女はなぜ道端にいたのかもわかっておらず現段階では身寄りがありません。こちらの要望に逆らい辛い状況です。そんな中、彼女の意思を尊重しないのは残酷です」


「報告によれば彼女は戦う能力はないそうですね。もしかしたら何か役に立たねばここに居られないと思い、色がわかるなんて嘘をついて自分をアピールしようとしたのでは?

そもそもなぜ自分が道端にいたのかわからないというのも理解し難い。」


「ちょっと!失礼ね!彼女は嘘なんかつかないわ!」


「君だって昨日あったばかりなのだろう?それなのになんでそいつのことをわかった気でいる。」


「なんでって、、、あの子は自分の身より負傷した白をずっと庇っていたの!!戦闘経験なんてないのに!

あの状況がどんなに怖かったか。それでも他者を優先して守ろうとする優しい子なのよ!!!!!!」


「だからと言ってそれだけじゃ身の潔白を証明できる材料にはならないだろう」


「あの子が入院していたと言っていた病院。ひいが調べたけどどこにもなかった。それにあの子は昨日までずっと高熱続きだったらしいのに今はピンピンしている。状況は本人にもわからないそうよ。」


「たしかにキングの言う通り怪しいですね」


「あの子が嘘をついているならついているでいいじゃない。アリスはいつだって求人募集中よ。

もしあの子の言うことが本当ならとても可哀想。家族だって心配しているわ、ひいは帰り道を見つけてあげたい。でもアリスも疎かには出来ない。どうしてもあの子には強くなってもらいたい」


「失礼。ひいさん。もし新人が嘘をついているなら女王すらも視えなかった薔薇の色が視える。という能力なんてないかもしれませんよね?それでも戦闘員として必要ですか?

嘘をついていても構わないのなら後方支援でも良いのでは?」


「ひいはあの子は嘘をついていないと思うの」


「それはなぜ?」


「女王ちゃんとショコラちゃんから報告を受けて今朝日の出とともに私は現場に向かったの。たしか争った形跡のある場所と報告通りの大きな地割れの場所があり、私も手をかざしたけどそこには薔薇の気配がした。2体分のね。」


ザワッ!!!!!


2体分!?それならあの子が頭に流れたといった映像の内容と辻褄が合ってしまう。

あの子、、、本当に特別な能力が、、、!!でもそれでも!


「ならぁ〜!!!俺様が預かりまぁーす!!」


「はぁ?」


「ようは咲月さんはぁ、その天才を一人前に育て上げて雑魚狩りじゃなくって薔薇共の王の首元まで行きたいんすよね?」


「ええ、あの子にはそれだけの力があると判断したの。もちろん、あの子だけではなくみんなの存在あってこそなんだけどねぇ」


「ならぁ!!!天才は天才が育てないと!類は友を呼ぶんだぜぇぇぇ!それに俺様の部隊ならギリギリ後方支援!!希望通りだバッチリ!」


「だめ!サイコパス軍団に純粋チワワを入れるなんて暴力行為と一緒だわ!!」


「失礼な女王だぜぇ!!」


「とにかく!私は彼女の意思を最優先させたい!!どんなに戦場で有利な能力があろうと関係ない!!!」


「そうよねぇ。無理強いなんて良くないわぁ。ではまずは、後方部隊を希望するならするで直ぐに戦場に出なくていいからみんなに稽古をつけてもらえないかしら?その後にまた彼女の意向を聞きましょう」


「そんなっ!そしたら優しいあの子のことだから気を遣って戦う道を選んでしまいます。」


「なら。それならば本人の意思でしょう。気を遣おうと遣うまいと、己で決めたなら貫くべきだ」


「僕はそれも無理強いの範囲に入ると思うなぁ」


「ならば!貴様は他に案があるのか?」


「意見を言うだけなのに詰められるの怖すぎる」


「貴様!ボソボソ喋るな!腹から声を出せ!!!!」


「キング!必要のない圧力はパワハラですよ」


「怖いヨォ〜!!!キィーング!!!」


コンコン


「失礼しまぁぁぁ〜す!!ショコラです。ルーキーィをお連れしましたぁぁ〜」


「うぉ〜!??この声は俺様の我が子!!!!」


「あらショコラ」


「お茶会にこのテンションで来れるの流石はあんたのとこの子ね」


「ひいが開けるね」


エレベーターに乗り長い廊下を歩きおしゃれなアンティーク調の廊下にでた。そこからまた更に歩くと大きな扉に辿り着いた。

ここに来るまでの間にショコラさんには会議で自分の本心を話せと言われた。

私の本心は心は決まっていた。どんな状況になろうとも、圧をかけられようとも私は負けない。

だって現場に出たらもっと大変で怖い思いをするだろう。今から気持ちで負けてどうする。根性みせろ!私!


「さぁ、扉が開くよ。俺はここまでだ。でもルーキーィの味方だぁ!大丈夫!君は昨日ここより怖い場所でも冷静に勇気を持って行動しただろぅ!」


「はい!ありがとうございます!行ってきます!」


「頑張れよ〜うぅ」


「ショコラァァァァア!!お前もこっちこぉぉーい」


「馬鹿者!!!!!!」


「大将〜!!!俺は先にルームに戻ってるんでぇ終わったらまた会いましょぉぉぉーー!!ルーキーィを頼みまぁーす!」


「初めまして新人さん。私はひい。ひいって呼んでね」


私の目の前に海外の童話のお人形さんみたいな可愛い女の子が現れる。


この子もアリスの一員なんだ!まだ子どもみたいだけどしっかりしてるなぁ


ドキドキしながら部屋に足を入れるとそこには個性豊かな人たちが大きなテーブルを囲んでいた。


「昨日はちゃんと眠れた?」


「女王、、、!はい!眠れました!ありがとうございます!女王はご無事ですか?」


「ふふ、ありがとう!元気よ!それに白も無事手術が終わってるの!後は目を覚ますだけよ」


女王の言葉に目が潤むが人目を気にしてグッと堪える


「ありがとうございます、、、!白は命の恩人なのでとっても嬉しいです」


「はじめまして新人の子よ。私はアリスの当主を勤めています咲月と申します。今日はあなたの配属について話し合うために呼んだのよ。さぁ席についてあなたは女王ちゃんの横にいたら安心かな?」


「あ!えっと、今日からお世話になります!よろしくお願いいたします!!!!!!」


咲月さんは微笑み、先程ひいと名乗った子が女王に私の椅子を渡しメイドさんが私の分のお茶を淹れてくれる


「おいで」


「ありがとうございます!」


「さあ、お茶会を再開しましょう。早速だけどあなたの今の率直な意見を聞かせてちょうだい。あなたは戦闘班、非戦闘。どちらに入りたい?」


咲月さんに質問される。この場の全員が私に視線を向けていてとても空気が重い。思わず女王の方を見てしまうのは私の心の弱さだろう。

そんな私の手をそっと握り女王はあなたの本心で話してという。

もう決めたのだ。ここで逃げるな


「あの、私は、戦った経験はありません。なので迷惑だと思うし烏滸がましいかもしれませんが、戦闘班に入りたいです。」


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