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薔薇を枯らすためのアリス  作者: 八幡丸もんじゅろう
アリス入隊編
12/26

ep.12  女王の拳

「おっと、あんなにあつく僕の思いに応えてくれていたのにもう去ってしまうのかい?そんなの寂しいなぁ。腕のことなら気にせず。すぐ元通りになるからね。だから最期まで相手をしておくれ」


急に湧いて出た白銀の男がショコラを追おうとしている。こいつの興味の対象はショコラだけだったはず。それなのにあの子に手を出した。白を全身で守っていた無抵抗のあの子を。攻撃の意思なんかないと一目でわかるあの子に手を出した。私とショコラ、どちらかが一瞬でも反応が遅ければあの子も白も間違いなく死んでいた。許せない、許せない!!!!!!!


「お前の相手は私。いまここでぶち殺す」


「違う。違う。僕の相手はあの青年なんだ邪魔をするな品がない」


「品がないのはお前だよドブカス。」


ドスンと重たい地鳴りのような音が響き、2人のいた地面が少し沈む。女王が白銀の男の腹部に重たい一撃を入れたのだ。


「何度殴られたとてすぐに回復できる。人間ごときの素手でも攻撃など無駄なことだよ」


いや、こいつはたしかブラックローズの坊やを素手で殴って仕留めていたな。まだ開花したての坊やとはいえブラックの中でも優秀な子を選んで連れてきた。この白い女があの子より格上だったとしても、勝てないとしても素手の攻撃を食らって枯れるか?

なんだこいつは、何を隠している?小さな武器でも手に隠してい


女王が白銀の男の口元をミシミシと音がなる強さで掴む。


「お前が回復する前に枯らせばいいだけ。何も無駄じゃない」


ドスン。女王が男の腹部に2撃目を入れる。すでに回復していた男の服にまた穴が空く。それと同時に先ほどより広い範囲の地面がひび割れ沈む。女王の拳の衝撃に地面が耐えられないのだ。


なるほど。こいつの攻撃は今までにないタイプだ。これは生け捕りにして調べる必要がありそうだな。そしてあのしわくちゃな小娘。僕のマントの色が見えていた。人間には見えないようにしていたはずだがな。あれも生け捕りにし報告する必要があるな。我々にあだ名す脅威の芽は早めに摘まなければならないからね。




「いよぉぉぉぉぉぉ~~~~~~しっ。ここまで離れればまぁ巻き添えは食らわないだろう。でも何が起きるかわからないから常に瞬時に動けるように気だけは張っててくれよ。」


「はい!」


いい返事だとショコラさんは微笑む。そんなに走ったわけでもないのにぜぇぜぇと息が上がる。白を抱えたまま走ったショコラさんは呼吸一つ乱さず余裕の表情だ。きっと普段から体力づくりをして鍛えているのであろう。感心しながらふと、後ろを振り返ると女王と青マントの男がいる地面がひび割れ少しへこんでいるいるようにも見える。あの男はあんなにも強いんだどうか無事でいてほしい


「女王、、、」


「あ~大丈夫大丈夫。地面が沈んでるのは相手の能力じゃなくて女王の攻撃がゆえだからね」


「え、、、!」


私が驚いていると、女王が男の口元を掴み反対の手で腹部に拳を入れる。それと同時にドスンという地鳴りのような音が響き地面がひび割れさらに沈みだした。しかも地面への影響は先ほどよりも広範囲だ


「あの人攻撃の矛先がルーキーと坊やに向かったことが許せなくてぶち切れてるんだよ。で、それはもう全力込めて相手を殴るもんだからそのパワーが器からこぼれて地面にまで影響出てるの。あの人が全力出すときは離れた方がいい。これはしっかり覚えておけよ」


「はい!わかりました!女王はすごいですね。医学にも長けている上に戦闘でも強いなんて」


「なぁ~?あの人はほんと立派で頭が上がらんよ」


語尾は独特に伸ばすものの落ち着いたトーンでショコラさんは話してくれる。これは私の自意識過剰かもしれないけど、もしかして気を使ってくれている?


「あの、勘違いだったらすみません。もしかして女王が激怒して冷静じゃないと判断したからショコラさんはいま冷静になってくれているんですか?私を怖がらせないために、、、」


きれいなはちみつ色の目を見開き驚いた表情でショコラさんは私に問いかける。


「君はとても察する力が高いね。さっきも人影にいち早く気が付いたし、そういえばなんでマントの色が藍色なんて言ったんだい?」


「そんな、たまたまですよ。少し違和感があってよく見たら人影があったしマントも高そうだなってみてたら藍色だなと思っただけです、、、」


「ルーキー、俺にはあいつのマントが見えないよ」


「え」



こいつは相当強い薔薇だ。生け捕りにして情報を引き出したいが無抵抗の子に刃を向けた。生かしてはおけない。いまここで確実に殺す。

そう決めてもう一度拳に力を込めた瞬間。


「僕は君たちを脅威と判断した。だからまた日を改めて捕らえにくるよ。研究対象としてね。あの好青年によろしくね」


そう言って私の手と視界から消え、影となりやがてそれすら消えた。


「ふざけるなぁぁぁぁっっ」


あいつが消えた影の地面を思い切り殴っても何の感触もない。逃げられた。不甲斐ない!!!いや、深追いしてる場合じゃない。一刻もはやく白の治療を始めなければ!!あたりに薔薇の気配はもうない。ここはひとまず私たちも撤退しよう。私は急いで三人のもとへと向かった。


                                        続く

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