ep.10 一刻も早く倒さなきゃ
ショコラたちが話している時、白の女王もまた黒薔薇と対話をしていた。
「貴様!!!!!!!よくも美しい私の腕を!!!!」
千切れた蔓に手を添えて黒薔薇は怒っている。先ほど白ウサギを揶揄っていた時とは打って変わって血管が浮き出るほどにキレている。
「あら〜!黒薔薇なら強いと思ったんだけどそうでもなかったのね〜」
私(女王)の姿を見て白は気を失ってしまった。パッと見た限り腹部辺りに怪我をしているのだろう手で庇うように倒れている。一刻も早く手当てをしたいがここまで喋れている黒薔薇相手では一瞬の無断もしてはいけない。
私の今するべき最優先事項はこいつを枯らすことのみ。
集中しろ私
「たった一本の蔓を切ったくらいでずいぶんと嬉しそうだなぁ!!!あぁ、そうか!お前らは非力なばかりか頭まで未熟だからこの程度で俺を倒せた気になっているのかぁ!!!馬鹿だなぁぁぁぁ!!!!」
顔に青筋をたててブチギレている黒薔薇は先ほど白ウサギと戦っている時とは別人のようだった
「たった一本。そうよね、あなたたちはそんなのすぐに再生するもんね。どうってことないわよね〜!!ならさっさと再生してみなさい」
早く決着をつけ白ウサギの手当て、ショコラと新人の安全を確保したい女王は口だけ動く黒薔薇に次の行動の指示を出す
「はぁ?てめぇに指図されなくとも、、、」
あれ?再生?、、、そういえば蔓ってどうやって再生するんだ?俺、じゃなくて僕そんなこと知らないぞ。だって薔薇だった時そんなことあいつは僕に教えてなかっ
ドッッッ
鈍い衝撃が腹にくる、こいつこいつこいつこいつこいつ!!!!美しい僕の蔓を千切っただけじゃなくて腹まで刺してきやがった!!!この低脳ブスが!!!!
「ねぇ、さっさとしろって言ってるのが聞こえないの?あなた中心に戦場は動かないのよ」
「黙っ、、、」
黒薔薇は怒鳴るのと同時にもう片方の蔓を女王めがけて
振り下ろす。しかし強烈な痛みで腕は力無く振り落とされた。
このクソブス!!!刃物か何かで刺したと思ったら素手で僕の腹を突き刺して体内を握ってやがるのか!!!!!!殺す殺す殺す。この女を殺す!!!
「、、、あなた黒薔薇よね?報告によると人型になったばかりっぽいけどもう喋ってる。そして白にも怪我を負わせられている。弱くはないはずよね?なのになんでこんなに弱いの?もしかしてもう1人いる?」
ふざけるなっ!!!!声を出したいのに力を入れられることが出来なくて膝から崩れ落ちる。僕は蕾の中でも優秀な個体として特別大切に育てられてきた。そんな僕がたかが1人の人間なんかになす術がないなんて!!
おかしいわね、、、まだ赤ちゃんのような薔薇ごときに白がここまで追い込まれる?いやでも黒色だし油断は出来ない。情報を聞き出したい気持ちもあるけど、人命救助を優先したいし、、、
「じょ〜〜〜お〜〜〜!!!!!」
少し離れた所からトンチキな呼び声がする
「ちょっと!!!なに目立つことしてんのよ!!」
声のする方を見て少し安堵する。ショコラは白を抱えて後ろ向きで走っている。そしてすぐに不安になる、あの子は今1人!???
「全員俺が護ります。安心してぶち殺してください」
そう言って建物の影に消えていくショコラ。普段からめちゃくちゃ本当にめちゃくちゃおちゃらけているチェシャ猫部隊。その中でもまだまともなのを連れて来たなんて言ったが妥協なんかじゃない。
戦闘中に背中を預けられると思えるからこそ付き添いをお願いした。頼んだのがあなたで良かった。
引っかかることはあるがまずは目の前の敵を枯らす
それに全力を尽くそう
私は敵の返り血まみれの手をもう一度振り上げた




