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体が重い、なんだ?俺何してたっけ?てか、ここ何処だ?
「おう、目が覚めたか。お前も不運だったな、生きてて良かった」
あれ?オッチャンが居る?って事はここはオッチャンのとこか…、なんで居るんだ?
「俺なんで?」
「は?記憶にねーってか。お前は悪魔に瀕死にさせられたんだよ。風見の奴がここまて運んできた時は死んだなと思ったが、生命力の強いこって」
悪魔?『また逢いましょう』!?思い出した!あの女悪魔!
「そうだ…負けたんだ。しかも、見逃された」
「祓い屋には屈辱だなぁ、で?どんな悪魔だ?」
「上級だよ、女の悪魔だ。名前はメアだとさ。なんでも、ナイトメアとかなんとかの根源で?夢魔とかって名前でもあるらしいぞ」
オッチャンがポカーンとこっちを見てた。
「お前、運が良いわ。マジで、よく生きてたな。見逃されたって言ってたけど、当たり前だ」
「やっぱそんな凄いのか、アイツ」
「50ってなんだと思う?」
「なんだよいきなり」
「悪魔メアはここ最近、っても数十年前に日本に来たらしいんだが。その間に殺された祓い屋の人数が判明してるだけで、約50人だ。向こうの方ではもっと殺してるって噂だ。そんな相手に生き残ったんだ、落ち込む事ねぇよ」
本当に、次元が違うというかレベルが違うな。そんな奴の打撃良く耐えたな俺…。遊ばれてたのか?遊ばれてたな。
「そうだ契約なんだけど、取り憑いたヤツが駆除されたわけじゃないから」
「わかってるよ、無効だ。取ってねよ、風見も受け取ってねぇ。それと、言っとくと依頼者は無事だ安心しろ」
「流石〜、わかってるぅ〜」
「あと、風見から伝言だ。今回はすまなかったとさ。流石に悪魔が敵とは予想外だったんだろうからな、彼奴も。お前の治療費も出してったぞ」
「普通、そういうのって俺が目覚めるまで居て、直接言わね?」
「知らねー」
なんだかなぁ、あ!そういえば。
「オッチャン、俺の荷物に悪魔とバトルする前にゲットした、獲物入ってる筈なんだけど」
「それなら換金したぞ、ほら札束だ」
おぉ!また札束が俺の手に。
「で?この金はどんなヤツだ?」
「思念体の呪いの生霊憑依人形と他人の養殖」
「相変わらず簡単な言い方しやがって…。ん?養殖だ?」
オッチャンの顔が険しくなる。
「俺のじゃねぇよ、他人の」
「喧嘩になったろ?」
「てか、殺されそうになった?返り討ちにしたけどな」
「殺したのか?まさか」
「いや、ボコボコにしてる途中にもう1人がやって来て、譲ってくれた」
「なんだかねぇ、そいつらの名前は?」
「1人は知らね。もう1人は水間って呼ばれてた、鎌使ってたぞ」
「はいよ、情報ありがとさん。来たら注意しなきゃな」
「なぁ、オッチャン。俺いつ動ける?」
「もう、全然平気だぞ。治療も終わって後は目が覚めるだけだったからな。ちなみに、今日で3日目な」
そんなに寝てたのか…そりゃ体も重くなるな。てか、そんだけ重症だったのか。
「んじゃ、もう行くわ」
「おう、行ってこい。稼いで来い」
あっさりしてんな〜。
「なぁ、オッチャン。祓い屋向いてるのかな俺」
「はぁ?」
「いやぁ、ほら今回さなんていうか」
「知るか馬鹿、んなもんテメェの気持ち次第だろうが。俺に聞くな、気色悪い」
「こんな場面って普通はなんかこう、慰め的なのない?」
「この仕事はドライなんだよ、できねーとか無理とか思うならとっと辞めろ」
「期待した俺が馬鹿だった…」
「今に始まった事じゃねぇな」
あーあ、似合わない事したな。もう、なんか気分悪〜。
「じゃあな、オッチャン」
そう言って俺はまた街を散策する。何処かに獲物が居ないか探すために。俺の仕事をするために。
月明かりが綺麗ですね〜、夜道の散歩〜、ルールールー。巡回してもなかなか居ないな〜。軽く運動したいんだけどなぁ。鈍ってるからな〜。
「誰かー!」
願いが叶ったかな?声の方へ行くと、女の子が霊に襲われてる。フムフム、普通の悪霊だな。丁度良い!
「どうも、こんばんは!」
「え?」
女の子はこちらを向き、驚いてたが直ぐに助けを求めた。
「助けてください!」
「はいはい、ちょっと待ってね」
「アヤカ、ナンデ、コロシタノ、クルシイヨ」
糸で縛ろうとしたら喋った。しかも内容が、驚きなんですが。
「あの、貴女はアヤカさんですか?」
「…」
うわぁ、これどうしよう。アヤカさんが殺人事件を!
「え?殺したの?」
「ち、違う!私は、ただその…」
「クルシイヨ〜、ナンデ?ワタシ、ワルイコトシテナイノニィ」
「あの、そこの霊の人。俺の言葉分かる?」
「クルシイヨ、クルシイヨ、クルシイヨ」
「あーもう、とりあえず縛ろう。そして、アヤカさんとやら。話聞かせろや?」
「私は悪くないわ!真美が勝手に死んだのよ!」
ようわからんけど、どうせ虐めだろうなぁ。こんなタイプは大抵虐めなんだよな。嫌だ嫌だ。世の中腐ってる!
「お前、この子虐めてたろ?そんで自殺しちまったって感じか」
「わ、私だけじゃない!他にも居たわ!なのに、なんで私のところに来たのよ!」
「クルシイヨ〜クルシイヨ〜」
「そりゃ、あれじゃね?お前の虐めが1番辛かったとか?心に残る虐めだったとか?」
「何よそれ!」
逆ギレ…。
「とにかく、早く追っ払ってよ!」
「あー、それがね。俺もこれ仕事なんだわ。ちなみに、ここまではサービスな。ここから助けるとなると、契約して俺は報酬を貰わなきゃ」
「何よ、お金…?そんなに持ってないわよ」
「違うから大丈夫。先ずこの空間に違和感ない?叫んでるのに助けが来ないって」
「確かに…」
「この空間は現実空間とは別の空間でね〜。普通の人は入っちゃいけない空間なんだ。だから、俺らは助ける報酬としてこの空間に居た時間×年の寿命を貰う。承諾してくれたら助けるよ?」
「はぁ!?寿命なんてふざけんじゃないわよ!」
「じゃ、コイツに殺される?」
「クルシイヨ〜」
「いいから、助けなさいよ!」
「仕事だって言ってんじゃん。あ!そういえば、自己紹介してなかった。俺は夜夜刺ね。さぁ、選択の時!選びたまえ〜」
おーおー、苦悩しとるね。どうにかできないか悩んでるけど、無理なんだよな。
「…わかった、良いわ」
「お、じゃあ契約を」
「寿命じゃなくて、身体で払う。どう?良いでしょ?」
予想外だわぁ、こんな提案。え?身体で払うって何?どういう事?そういう事だよね?
「一応聞くけど、労働って意味じゃないよね?」
「違うわよ、好きにして良いのよこの身体」
「悪いけどね、興味ないなぁ。好きな人でもないのに1夜をなんて、やだ。俺こう見えてもロマンチストなの。このエロ女め!」
「そんな事言わないで良いじゃない、夜夜刺君だっけ?」
「あんまりしつこいと、助けないよ?」
「寿命なんて、絶対に嫌!死にたくない!」
そんな、すぐに死ぬわけじゃないってのになぁ…。でもこのままじゃ。
「そうやって長考すると、取られる寿命も多くなるよ。そしたら…死ぬな助けても」
そう言うと、さらに逆ギレしまくってる。これは長くなるな〜。