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ゆく道
生きとし生けるものは 皆 「死」へと向かっている
そのことを誰も 知ろうとしない
一日一日
いや、一時間、一分、一秒
時を刻むごとにあちらの世界に近づいてゆく
その瞬間に見えるのは
怠惰なダルい顔か
ヒステリックな喚き声か
他人を呪う暗闇か
諦めのため息か
身体を蝕む痛みか
足掻き手を伸ばす 爪の軋みか
できることなら
腹の底から笑う 声であってほしい
真摯な 眼差しであってほしい
目標をつかみ取ろうとする 汗であってほしい
親しいものと交わすぬくもりや
頬を掠めていく爽やかな風や
まぶしい光の中で
心震わせる時の連なりで あってほしい