第一話【出会い】
いつもと変わらない月曜日。
たくさんの通勤・通学者が行き交う大通りの坂道。
そんな中を人を掻き分けながら進む。
(ふ〜、すごい人で熱気が伝わってくる・・・。)
この青年、大橋俊哉は今日からぴかぴかの高校一年生。
趣味は中学生のころに友達と一緒に覚えた麻雀。それと・・・、走ること・・・かな。
ちなみに彼女はいませんっ!!でも・・・いつかはつくりたいなぁ・・。
「うぉぉぉ〜、とぉ〜し〜や〜!!」と
後ろから奇声が混じった声を発しながら突っ込んでくる。
そして、俊哉の前でキキーッと止まった。
こいつは、幼稚園からの友達で沖原奨太。
いつも元気に接してくる。行き過ぎてしまうところが玉に瑕だけど・・・。
「ハア・・・ハア・・・、い、一緒に・・行くっつたのに・・ぐぇ・・。」
「お前が遅いからだろ。15分経っても来なかったら先に行くって昨日言ったじゃんか、お前が。」
「そうだっけか?まあ、いいや。とにかく急ぐぞ!初日からお前と遅刻じゃかなわないからな。」とごまかした。
「お前がいうなぁぁぁ〜!!」
そして、二人の通う東都大付属平成学園。
大きな創設者の銅像がこちらを睨みつけているように思える。
校門をくぐり、桜が満開の道を100メートル歩くと高等学校の校舎にたどり着く。
すぐ右の道を行くと中学校の校舎、左には大きな講堂がある。
高校の校舎の玄関にはクラス分けの紙が貼ってあった。
「おい、俊哉!また1−Lで同じクラスだぞ!!」と一人騒いでいる奨太。
内心、(またか・・・)と思った俊哉だったがそこは流しておくことにした。
クラスに入ってみるとたくさんの生徒が話したり、席について静かに待っていた。
「う〜ん、なかなかいいクラス・・・、!!」と驚愕した。
「う・・・、こいつもか・・・」と俊哉。
「なんだ、こいつもかって・・・、げっ・・・!」と奨太。
「おはよ♪お二人さん!!」
こいつは、宮川逢。奨太と同じで幼稚園からの幼馴染で気が強く、負けず嫌い。一度相手をすると手に負えなくなるところがつらい・・・orz
「なんだ、お前も一緒のクラスか。」と残念がる奨太。
「失礼ね、あんたたちこそ同じクラスなの?なんか、拍子抜けちゃうわ」
それはこっちの台詞だと俊哉と奨太は思ったがここはこらえておく。
「えっ、逢、この人たちと知り合いなの??」と逢と話していた子が口を開いた。
「ああ、うん。紹介するね。このツンツン頭が大橋俊哉。で、この相撲取りが沖原奨太。二人とも幼稚園からの幼馴染よ。」
「誰が相撲取りじゃ、ボケッ!!」と怒り狂う奨太。
「そ、そうなんだ・・・。あ、私、中原麻衣です。よろしくお願いします」
「あ・・・こちらこそよろしく」と俊哉。
そのとき、始業を知らせるチャイムが鳴った。
いよいよ、僕の高校生活が始まるんだ!がんばるぞ!!
第二話へ続く