キス、キス? キス!?
「宮崎さん、もう一度お礼をー」
「い、いやぁ、ホント良かったでー、えっ?」
シャロン少尉が近づいて来たと思ったらー、ほっぺにチュウされた……。ええええええええっ!!
ビクビクビクー!
えっ? 今背中のー。
そっと私から離れるとシャロン少尉は微笑みながら。
「うふ、本当にありがとうございました。これはほんのお礼です」
「お姉さま!」
「し、シャロンさん、なんてことを! ここはアメリカでは無いとー、何べんー」
小言を言い出した二人にシャロン少尉は頬を膨らませ。
「いいじゃないのぉ、挨拶の時はキスしてないしー。それにお礼だしー」
真弓少尉は諦めた様にため息をつくと。
「分かりました、もう何も申しません。勝手にしてくださいませ」
そう言うと怪しい仮面の陰陽師、麻耶少尉の前の席に戻った。
「ゲシ、ゲシ、ゲシ、なに呆けてるのよブタ!」
気が付くとこちらが動けない事を良い事にクレアが私の弁慶の泣き所を的確に蹴りを入れていた。
「イテ、こ、こら止めろ、痛いって言ってるだろ!」
「フン、お姉様を助けてくれてありがとね。ゲシゲシゲシ!」
「お前お礼を言いながら蹴りを入れるな!」
「クレア何をしてるの、止めなさい」
「いいえお姉様、クレアはこのブタにお礼をー。ゲシゲシゲシ!」
クレアは涙目になって私を睨みつけ蹴りを入れるのを辞めない。そんなにキスされたのをー。
「もう、だったら。えい」
少尉が私の方に手を軽くかざすと、クレアの蹴りを避けたり足の裏で受け止めたりと勝手に動いて防いでくれた。
「おっ、ありがとうございます少尉」
「あっ、この、避けるな! クレアのお礼をちゃんと受け止めなさい!」
「フン、何がお礼だ。ほれほれ、ちゃんと蹴ってみろ」
「あ、あれ? どうしましょう」
「ん? 少尉? あっ! ち、ちょっと少尉! 足首はそんなには曲がりません!」
少尉が焦りだしたと思ったら足の動きがー、どうなってるんだぁ。
「あぁ、ごめんなさい、なんでかコントロールが、あれ?」
「わあ! ひ、膝はそっちには曲がりません、止めて、あーーぐぎゃ!」
あまりの激痛に又気が遠くなってー……。




