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海軍陰陽零観隊  作者: 第三郡二十一隊
5/21

端から見ればハーレム状態?

 ホームには薄らと蒸気が立ちこめている、こ、恐い、何だか分からないが恐ろしい。


「宮崎さー、二飛曹、顔色悪いわよ。大丈夫?」


 私を横から覗き込むシャロン少尉、ち、近い、それに可愛いんだけどー。


「だ、大丈夫じゃありません! 術を解いて下さい」

「お姉様もう皆乗り込んでますよ、急ぎましょう」


「シャロンさん急いで、もう出ますわよー。ゲッ、クレア! あんた何で居るの?」


 確かあの黒髪は真弓少尉だったかな、客車の窓から乗りだして胸をブルンブル振って、いや手を振ってる。


「あ、やっぱりチチお化けと一緒かぁ」


 クレアがボソリと呟く。

 その時、汽車が一気に蒸気を噴き出した。目の前が真っ白になる!


 プッ、シャーーーーーッ


「ギャーー! 止めろー奴が、奴が来るー、グゲ」


 ー私は気を失った。




 ペチペチ、スリスリ、ペチペチ、スリスリ。


 ・・・・・・誰だ、私の頬を叩いたり摩ったりしている奴は。


「ウーン、・・・・・・ハッ、ここは?」

「あら、この子気付きましたわ。スリスリ」

「あぁ良かった、このまま起きないかと思ったんですよ? ペチペチ」

「フン、この怠けブタは永遠に寝てれば良かったのです」


 それって死んでろ、っうことか? 私はいつの間にか客車の座席に座らされていた。そうか、気絶してしまったのか・・・・・・。でもなんで両脇からー。


「あ、あの、いいかげん私の頬をいじるのは止めて下さい」

「あ、ごめんなさい。あなたのほっぺがあまりにも艶々でー」

「ウフフ、スリスリ、ハァハァ」


 ウッ、この巨乳少尉は何で止めないんだ? なんか息が荒いし何より目がヤバい。


「しょ、少尉止めて下さい」

「真弓さん、しっかりして」

「ハッ、わたくし・・・・・、一体何を」


 やっと止めてくれた。


「真弓さん、摩耶さんの横に座りましょ。本当にごめんなさいね、あなたのほっぺを触ってると・・・・・・、なんか気持ちよくて」


 シャロン少尉は爆乳少尉を通路を挟んだ反対側の席へと連れて行く。


「こ、こんな子豚ちゃんに謝らなくてもいいと思いまーす」


 お前もさっきから両手をニギニギさせてメッチャ触りたそうにしてるけどな。


「し、シャロン少尉」

「は、はい、何かしら?」


 シャロン少尉は私の正面、クレアの隣に座った。


「私に掛けた術を解いて下さい、もう汽車に乗ったので大丈夫です。ありがとうございました」


 体が動かないので頭を下げることもできない。


「そうね、それじゃー」


 シャロン少尉が両手で印を結ぼうとした時。


「お待ちなさいシャロンさん」


 いつの間にか復活した爆乳がー、いや黒髪の真弓少尉がシャロン少尉を止めた。


「あと一時間で乗り換えですから、まだ解かない方がよろしくてよ」


 ん? 私も長崎に行くことを話したのかなシャロン少尉?


「クレアもそう思いまーす」

「あーら、珍しく意見が合ったわねクレア」


 クレアは真弓少尉を睨むと。


「フッフッフ、そうですね。珍しくチチでかー、真弓さん」


 頭に血管を浮き上がらせた真弓少尉は上から睨み返す。


「フッフッフ、何度言ったら分かるのかしら? わたくしを呼ぶ時は真弓少尉、またはお、ね、い、さ、ま、と呼びなさいと何時も言っているでしょ?」


 この二人相当仲が悪いみたいだな。


「おじゃ! 止めるでおじゃる」


 謎のおじゃる陰陽師少女が二人を止めた。


「ーー麻耶さん」

「麻耶・・・・・、お姉様」


 おっ、烏帽子を深くかぶり多分銀の仮面を付けている麻耶と言う少尉の一言でー、何者なのだろう。

 シャロン少尉はポン、と手を叩くと。


「あ、そうですね、ではそう言う事で宮崎さー、二飛曹は大村までこのままですね」


 なんですと!


「待って、待って下さい、大村まで何日かかると思っているんですかっ」

「反論は受け付けません。上官命令です」


 グッ、上官命令と来たかっ。


「やーい、やーい」


 グッ、このお……。洗濯板。


「! な、なんだか私の胸を変な物に例えたわね!」


 こいつ洗濯板を知らないのか? て言うか、やはり人の心を読んでやがる。


「さてと、納得して貰ったところでー」


 ん? シャロン少尉は腰に弾帯を巻いていた、普通は銃剣とか弾薬とかを装備するものだがー、シャロン少尉の弾帯には拳大の赤い壺が左右に二個ずつ付いていた。きっと陰陽道で使う道具が入っているのだと思っていたのだがー。


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