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海軍陰陽零観隊  作者: 第三郡二十一隊
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飛べない操縦士

 もう一人の私。

「なに言っちゃってるかなー、そんなもんもう一回アイフル行ってお金下してパチンコへ行けば済むことじゃないか」


 ……お前何言ってんの? この間もそんなこと言ってスッカラカンになったの忘れたの?


「大丈夫だって、攻略法があるだろ? 今度こそ勝てるって、そろそろ勝てる時期だよ、ほら行けよ、いろんなアニメのキャラがパチンコ屋で俺を待ってるぞ」


 うあぁぁぁっ……。と、また私を地獄へと誘うのだ。

 気付くと私は病院のベッドの上だった。直ぐに立ち上がり近くに居た看護婦に赤トンボがどうなったのかを聞こうとしたが、立ち上がることが出来ずそのままベットから落ちて倒れてしまった。

 男の医師が呼ばれて何とかベッドに寝かされた、その医者は軍医殿だったので私に色々説明してくれた。

 まず私が運ばれてから三日寝たままだったらしい、そして私の機体は大きな川の河原に傷一つ無く無事に着陸していたらしい。


 あれ? 私はなんで河原なんかに着陸したのだろう。たしか私は単独飛行でー、・・・・・・だめだ、思い出せない。

 一ヶ月後、私は改めて単独飛行のやり直しをー、・・・・・・できなかった。その日は雲が低かったが飛べないほどでは無かった。でも無理だった、理由は-、言いたくない。


 操縦士を止めることも考えたが、ある日そんな私を欲しいと言って新設された陰陽師隊が私を引き抜いた。

 練習過程も終了していない飛べない操縦士をなぜだ。

 それだけでは無く、嬉しいことに私の事を一番心配してくれた教官で、尊敬できる憧れの女性結城中尉がその隊の隊長だと言う。

 更に、冗談かと思ったが、階級章を貰った。二飛曹だと? 二階級特進どころではない! 私は死ぬのか、そんな危険な隊なのかっ。

 ワナワナと震える私を置き去りにして、結城教官、いや結城隊長は先に配属先である長崎にある大村航空隊へと行ってしまった。

 で、ほいほいとコンビニへ行く私が居る。


 だいたいなんで私はパチンコにハマっているのか、パチンコを始めて三十年。もしもこの世にパチンコが無ければ今頃家を土地付で購入していただろう。

 うー、今更もし、を持ち出しても詮無きこと。何故パチンコにハマったのか原因を探る為に記憶を遡ってみよう。

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