表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
海軍陰陽零観隊  作者: 第三郡二十一隊
19/21

秘密

 サンダース大佐から指定されたのは町外れの食堂だった、本当はレストランみたいな洒落た場所にしたかったんだろうがあいにく近くの町にはそんな所は無い。

 私達は四つある四人がけのテーブル席の一つに座る、後はカウンターの席が六つほどある小さな食堂だ。


「なんで子ー、宮崎が付いてきてるのよ! この、この」

「だから足を蹴るな! クレア、今お前子豚って言いそうになっただろ」


 店内は二時過ぎと言う時間なのでガラガラと言いたいが、黒服にサングラスを掛けたいやにガタイが良い外国人が埋め尽くしていた。

 注文を取りに来た店主は面白いほど混乱していた。 


「さっきも言ったでしょ、宮崎さんには無理を言って付いてきてもらったの」

「それにしても入って良かったのかなぁ、もう遅いけど」

「何よ、パパがクレアやお姉様に何かするって言いたいの!?」

「い、いや、でもほら、周りを見ろよ」


 私がそう言うとクレアも反論できないのかグッ、と言って黙ってしまった。そこへー。


「お待たせしましたー、カツ丼と餃子はー」

「はい、私です」

「中華丼はー」

「クレアよ」

「じゃあサバの味噌煮定食梅干してんこ盛りはこちらですね」

「はい」

「宮崎、また凄い脂っこいものばかり、それ以上肥ってどうするの?」

「いいんだよ、私は定食やに入ったらカツ丼と餃子って決めてるんだから」

「た、大変よクレア、宮崎さん!」


 見るとシャロンは箸を持ったままプルプルと震えていた。


「お姉様?」

「少尉、サンダースさんですか!?」


 私は立ち上がり周りを見渡す、周囲の男達に紛れていたのか?


「いいえ、ここの梅干しあんまり美味しくないの。いえ、全くのダメダメだわ」

「しょ、少尉・・・・・・」

「あ、やっぱり」

「ここは梅干しの伝道師でもある私、シャロン梅干しマスターの出番かな!?」


 グッと力を込めて箸を握るシャロン。伝道師? マスター?

 その時、カーボーイの如く颯爽と扉を開けてサンダースさんが入って来た。


「やぁーー! 待たせたねみんな、時間も無いことだし早速出発しよう。おや、君はたしかー、子ー」

「子豚じゃありません、宮崎二飛曹です」

「あー、そうそう、で、そのー、君はなぜここに?」


 この野郎、覚える気ねえな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ