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海軍陰陽零観隊  作者: 第三郡二十一隊
15/21

飛べない子豚を飛ばしてみよう。 その四

 結果から言おう、完全に失敗した。

 だってそうだろう? 運動場の中央でいきなり霧を発生させて。


「霧や煙の中に何もいないことが分かれば怖がらなくていいはずです、チョット我慢すればー、あら?」


逃げる間もなく周りを霧に覆われた私は、逃げだそうとした体制で立ったまま気絶をしていたらしい。その日の夕方、真弓少尉から。立ったまま気を失えるなんて凄いですわ! やはり陰陽師の才能がー。と訳の分からない褒め言葉を頂いた。


「次はわたくしの番ですわ!」


 翌日、気合いの入って上機嫌な笹舟少尉に今度は士官食堂に呼び出された。胸の揺れ方も一味違う。

 それに対し後ろに居るシャロン少尉はなんか不機嫌そうだなぁ、まぁ仕方無いか。その横に並ぶ麻耶少尉は深くかぶった烏帽子と顔の大半を隠す銀の仮面で表情が読み取れない。

 クレアは昨日から厨房を住処にしている黒くでカサカサと動き回る生き物と対決している。なんでもここのGは大きくてかなりしぶといらしい。クレアの赤い瞳は燃えていた、今も厨房でドッカン、ガッシャンという音とシャリ番達の悲鳴が響いている。


「では笹舟少尉、今日はどうやってー」

「笹舟だなんて、宮崎様には何時ものように今後もま・ゆ・み、と呼んでもらいとうございます」

「あ、は、はい、了解です真弓少尉。でぇ食堂と言う事はー」

「ええ、ここの蒸気を使わせて貰いますの」


 真弓少尉がクイッと招き猫のように手招きすると、厨房から三十センチ四方の大きなサイコロみたいな蒸気の塊がゆっくりと飛んで来て真弓少尉の斜め上にピタリと止まった。


「おじゃ? 既に逃げ腰になっておじゃる」


 ば、ばかちげえし、逃げ腰になんか・・・・・・、いや、もう逃げ出したい。あの蒸気の中には確実に何かが蠢いている。俺には分かる!


「大丈夫ですよ宮崎様、わたくしはいきなり雲や霧で宮崎様を包んだりしませんから。まずは手足から順にこれに入れて行きましょう」

「そ、そうか、でもその中に何か入ってますよね?」


 真弓少尉が蒸気と一緒に近づいて来る!


「さあ宮崎様、お手を。大丈夫、何も入ってはおりません。落ち着いて恐くはありませんわ」

「い、いや、嘘だ、入ってる。生きた蛇の生首がー、ウッ!」


 逃げようとした途端体がー、動かなくなった。これは金縛りか? シャロン少尉が後ろでいつの間にか胸の前で印を結んでいるのが見えた。

 真弓少尉は振り返ると親指を立てた。


「流石はシャロンさんですわ。フフン」

「シャロン少尉! お願いです止めて下さーい」


 シャロン少尉は私の抗議にプイッ、とそっぽを向いた。ああっ、やっぱり怒ってる!


「宮崎様お覚悟を!」


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