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海軍陰陽零観隊  作者: 第三郡二十一隊
12/21

飛べない子豚を飛ばしてみよう!

「はーい、自己紹介も済んだことだし隊の説明に入るわね~」

「あ、あの、私はー」

「あぁん、宮崎君はいいの、知ってるし~。他の皆も道中一緒だったんだし分かってると思うの~」


 う、うーん、そうかなぁ。待てよ、どうして隊長は私がシャロン少尉達と一緒だったことを知ってるんだ?


「皆さんもしってると思いますがぁ、この隊正式には第三陰陽師郡、第二十一零式観測隊と言って新しく発足した隊です。 任務は攪乱、情報収集、敵の探知等です。ここまでで何か質問はありますかぁ」

「はい」


 私は軽く手を上げて質問した。


「名前からして最新鋭の零式観測機を操縦できるのですか?」


 零式観測機は複葉機でありながら、一世代前の戦闘機との模擬戦で勝ったこともある高性能機だ。


「そうよー、基本的には戦艦主砲の着弾観測するための飛行機だったんだけど、性能が良いんで私達が使えるように改良してもらったののよー。ただー」

「ただ?」

「ただその改良が間に合わなくてまだ一機しかー、届いて無いの」

「ええっ! それでは訓練がー」


 隊長は頬に手を当てて困ったわ、のポーズを取り。


「そうなの~、訓練ができないの。だからー、飛行機が届くまで皆で宮崎君が飛べるようにしましょう」


 えっ? あ、そうか、私が飛べないままだと飛行機が届いても訓練ができない。


「宮崎様! 飛べないのですか?」

「あ、宮崎さんはやっぱり雲が恐いの?」

「飛べない子豚はただの子豚ですぅ。送り返して違う人を入れるですぅ」

「おじゃ?」


 だ、誰が飛べない子豚だっ! 


「さ、宮崎君、皆にお願いして~」

「・・・・・・お、お願いします」

「分かりましたわ宮崎様、真弓にお任せですわ。加藤!」


 真弓少尉が指をパチン、と鳴らすとまるで忍者のように燕尾服を着た執事みたいな人が現れた。


「お呼びでしょうかお嬢様」

「ええ、皆様にご紹介しますわね。この者はわたくしの執事兼操縦士の加藤ですの」

「ご紹介にあずかりました笹舟家執事、加藤と申します。こちらでの階級は三曹となっております」


 三曹か、私より下だが案外がっちりした体格で六十代後半みたい、髪の毛は真っ白だ。

 っておい! 普通に反応してどうすんだ、どっから現れたんだ!?


「加藤は日本で三番目に飛んだベテランの操縦士ですの。わたくしの部屋を用意するために先行して作業をしてましたの」

「ああ~、予定に無い豪華な屋敷がいつの間にか建っていたのはー」

「挨拶が遅れて申し訳ございません結城様、何分緊急でしたので」


 いいのか? 軍の敷地内に勝手に立てて。


「それで加藤、宮崎様のー」

「はいお嬢様、これがプランその一でございます。プラン二、三も制作中でございます」


 加藤さんがスッと書類の様な物を差し出した。うえっ! もう出来上がってるのか? 


「待って真弓さん、先に私がやってもいいかな」

「シャロンさん!?」

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