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亜細亜大戦記  作者: 犬飼 拓海
(別話)ペルシアは世界帝国の夢を見るのか
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理論と現実(後編)

 2031.8.14


太平洋戦争が終結して約90年が経ったこの日、ペルシャとパキスタンの国境では小規模な戦闘が起こっていた。


乾いた音が幾度と響き渡り、パキスタン軍の兵士の肩に被弾し、ばたりとその場に蹲る。


その後、ペルシャ軍人の胸部に被弾し、その場に倒れこむ。

その後、懸命な治療もむなしく、軍人は死亡した。


 そして、2031年8月16日、ペルシアは「ペルシアとパキスタン国境で起こった戦闘の過激化による戦死者発生のための報復」という名目で宣戦布告した。が、本来は違う。「報復」というのはただの表面。真の目的は「世界帝国論」完遂のための陽動段階にしかすぎず、初めから「報復」ではなく「征服」を目的とした戦争であった。しかし、これらの選択、いや、軍事クーデターの時から間違っていたようだ。



 開戦直後は圧倒的有利な技術力、物量で優勢を保っていたが、粛清に次ぐ粛清で兵站を担当していた将校も粛清され、臨時で担当したものはもちろん素人、調子に乗ってパキスタン...カザフスタン...インド...とどんどん進撃を進め、結果、兵站が伸び切ってしまった。兵站が伸び切ったところに主力艦隊の大損害、そこに漬け込むような強襲揚陸、極めつけにインド付近での大包囲殲滅。もう疲弊しきったペルシャ軍。これは彼らが思い浮かべた未来なのか?もし、あの大粛清がなかったら?おそらくこんな戦争は起こることがなかっただろう。領土的野心をあふれさせ、様々な国に宣戦布告する。まるで第二次世界大戦期のナチス・ドイツだ。

あの国も、東方生存圏のために、疲弊しきった軍を動かし、国家の自滅に導いた。そして、この国。ペルシアも、ナチス・ドイツの様に、領土野心を燃やし、自滅に導こうとしている。



   やはり、歴史は繰り返すものなのだ。


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