本艦、敵艦ニ攻撃サレ
第一義勇艦隊の前方上空には、大型レーダーを搭載した早期警戒管制機「ラーニェ・プリェード」が飛んでいた。機内のレーダーディスプレイには、ペルシャ海軍の艦隊を示すマーカーが浮かんでいる。
「ん?」
ディスプレイを見つめていた通信員の影山は、思わず声を上げた。五つの点が、艦隊のマーカーから離れていく。空母から何か飛び立ったのだ。
ー戦闘機だ!
影山は息を吞んだ。
"紀伊"のCICディスプレイにも、「ラーニェ・プリェード」のデータがリンクした。
「戦闘機五機、向かってきます。」
砲雷長の城所が報告する。
君津の顔が引き締まる。
「ミグだ。現在の距離は?」
「我が艦との距離、400マイル。」
すかさずレーダー員の望月が伝え、城所は即座に計算した。
「敵のミサイル射程圏内まで約20分です。」
「"紀伊"から各艦に達す。対空戦闘用意!」
マイクを通してそう言ってから、君津は、佐久間に向き直った。
「副長、艦橋にて操艦せよ。」
前方を見渡せる場所で指示を出せということだ。こればかりは、飛行機乗りの君津にはできない。
「了解!」
佐久間はCICを飛び出した。
"木更津""初潮""萱""秋月""金剛""佐久間""橿原""大谷津"そして、潜水艦"松1,2,3"にも、対空戦闘用意の命が伝わった。いよいよ本格的な戦闘が始まることを、全隊員が覚悟した。
"紀伊"CIC内で、ビイイ、ビイイーという耳障りな警報音が鳴り始めた。
「敵機、レーダー波照射!ロックオンされました!」
モニターを注視したまま、追尾担当氏の郷原が報告する。
「位置は?」
佐久間が聞き返す。
「方位」2-2-0、距離75マイル。高度約30000フィート。速度マッハ1.8変わらず、五基とも接近しています。」
「射ってくる。」
佐久間がそう零した直後、ディスプレイに八個のマーカーが出現した。
「敵機、ミサイル発射。八発向かってきます。距離、50マイル!」
警報音は鳴りやまない。
艦橋に着くと、佐久間はヘッドセットを装着し、その上からてっぱち(ヘルメット)」を被る。前方を行く」イージスミサイルぬかっていた
「頼むぞ…"秋月"」
前方を行くイージスミサイル艦に向かって佐久間は呟いた。
「いいか!すべての訓練は、このために遭ったと思え!」
"秋月"の艦長、浦田はCIC内にいる隊員に檄を飛ばした。
「はっ!」
全員が大声で返事する。
「対空戦闘用意!」
浦田の命令に、砲雷長の山本が応じる。
「対空戦闘用意!前甲板VLS、一番から八番。対空ミサイル発射用意!」
甲板から垂直に発射されるミサイルVLSは、誘導に従って空中で方向を変え、目標へと向かう。
「砲雷長!目標八。一発も打ち漏らすな!」
「任せてください。」
山本の口許に不敵な笑みが浮かぶ。
「目標データ、入力完了!発射用意よし!」
敵ミサイルのデータを入力をしていたミサイル長の近藤が告げる。
「てぇーっ!」
山本の命令を合図に"秋月"の甲板のハッチが開き、すさまじい爆音とともに対空ミサイルが次々に飛び出した。
白煙を噴き上げながら、大空を突き刺すかのようなスピードで上空に達した対空ミサイルは、そこで大きく軌道を変え、そのまままっすぐ敵ミサイルへ向かっていく。
「"秋月"、対空ミサイル発射!」
"紀伊"CICで、城所が報告する。
「八発とも撃墜コースに入りました!目標との距離6マイル。接触まで、10秒。」
ディスプレイには、敵ミサイル八発と、それに向かうVLSの八つのマーカーが浮かんでいる。
「9-、8-、7-、6-、」
カウントダウンの声が、警報音とともにCICに響く。
「5-、4-、3-、2-、1-、」
空中で、次々に爆発が起こった。真っ赤な炎が上がると同時に、ミサイルの破片が宙を舞い、バラバラと会場に落下する。
その様子は、佐久間の双眼鏡でも確認できた。
一発のミサイルも、炎の中から飛び出してこない。
─よくやってくれた。
安堵のため息をつきながら、佐久間は双眼鏡を下した。
"秋月"のCICディスプレイから、ミサイルを示すマーカーがすべて消えた。
「全ミサイル…撃墜しました!」
砲雷長の山本が告げる。
「よし!」
艦長の浦田は、ほっとした表情で椅子の背にもたれた。
「敵ミサイル、すべて撃墜!」
"紀伊"CICでは、全員の顔に笑みが浮かんだ…
はぁい!どもです匠です。戦争って恐ろしい…昨日空母いぶき久々に読んだんですけど、やっぱ平和っていいなって。 ぁ、ちなみに艦隊決戦編、もう少し続きます。
とゆーわけで、今回は以上。
ではまた逢う日まで!敬礼!/)`・ω・´)
今回も日本語、以上。匠がお送りしました。




