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古代技術と爆炎の三流魔道士  作者: Uノ宮
工学編
47/62

心と魔法

 翌日の放課後から、芸術祭に向けた魔導器制作のプロジェクトが始まった。

 予定としては、ここから一週間は親父を交えての制作会議と設計を行い、そこから二週間で、選考した生徒を動員して、組み立て等を行う。


 一回目となる今日は、生徒会それぞれの魔法の披露から。ミーナと俺は、特にやる必要がないので見学だ。


「今のだと、死ぬな」

「だね。みんな、凄いよね」

高度な魔法に、ただ感激させられる。

 すると、

「アルバート、ミーナ、上に行くぞ。残りの六人は近くだと危ない」

楽しげににデータを記入しながら、親父が戻ってきた。


 一人目は、ジークだ。

「あの子は、何も必要ないな。対人戦闘に関しては言うことなしだ」

合宿で一段と強くなっている。格闘の荒さを魔法で強引に補っているが、それが一つのスタイルとして成立している。

「かっこいいって思ってるだろ」

見惚れていたミーナに、釘を刺す。

「えっ?ま、まあ……ちょっとは」

わかりやすく動揺している。この二人が付き合うのは時間の問題だろう。


 そして、シュヴァルト先輩も安定の強さを見せ、次はレーナ先輩だ。目標をの動きを見定め、的確に氷を展開している。これは、凄まじい技術だ。


「この子、本気を出してないけど、十分か」

親父の呟きの意味が理解できない。これで手を抜いているとは到底考えられない。


会長と先輩が何やら話した後、入れ替わった。


 会長は心理操作なので、全員で相手をする。距離を取り、ただ近づくだけでいい。

 会長が一度目の魔法を放つ。その地点で数人が脱落。


そして、二度目。半数以上が脱落。

「効いてる?」

ミーナが問う。その表情は苦しそうだ。

「まあ、走れないくらいにはな」

「もう無理かも」


確かにミーナは器用だが、それぞれの魔法の完成度は、今はまだ高くはない。だから、心理操作への耐性は低い。


 さらに三度目、四度目と重ね、残ったのは俺と親父と、レーナ先輩。

こういうのに強そうなシュヴァルト先輩だが、そもそも会長に弱いため一発でリタイアしていた。


 五・六度目でも三人は止められず、会長の元に辿り着いた。

「これだけは、アンナには負けられないよ」

「レーナはそうだけど……アルバート君にも効かないのね……」

これは予想に過ぎないが、本気を出せばおそらく、レーナ先輩の方が強い。親父がさっき言っていたことの意味がわかった。


心理操作魔法には法則がある。まず、適正によって波の形が異なる。

相手の魔力の波に自らの波をぶつける。その時に、相手の魔力を上回っていれば、相手にその魔法が通じるのだ。上回る適正の種類が多いほど、強く相手の思考を乱す。


親父に効果がないのは、ただ強すぎるだけで、俺に聞かないのは、適正が一つの俺にとっては、他十一種の波はノイズ程度のものだし、親父に似て精神が図太いから。


 レーナ先輩は親父と同じで、先輩の適正魔法の半数以上が会長の同じものよりも上回っているからだろう。

 ただ、魔力だけで全ては決まらない。掛ける側の話術や交渉術、色仕掛け、受ける側の理性などの精神力、その二人の関係といったように、様々な要素がこの魔法には影響する。


女が男に対して色仕掛けをすれば掛かる可能性は高くなるし、心を許している人からだと、それにすら気づかずに掛かる。


 正直、色仕掛けに耐えれるかと聞かれれば、それはわからない。ハンナ先輩からなら間違いなく無理だが、先輩は心理操作魔法は使えない。助かった、というべきか。



 とりあえず、全員のデータは取れた。あとはこれを分析し、どの魔導器を与えればよいかを考える。おそらく、一二年全員に共通している、不安定さを補助するための何かが新たに作られるのだろう。



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