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古代技術と爆炎の三流魔道士  作者: Uノ宮
合宿編
35/62

壮大な野望

 一時間半ほどで全体練習は終わり、自主練習に移った。シュヴァルト先輩とアネット先輩は少し実践練習をしてからトレーニングに入るらしい。


一度コートに戻り、二人にも声をかける。

「俺らはトレーニングするが、お前らもするだろ?」

「自主練?するわけないだろ」

笑いながらゴーマンが答えた。

勝つ気あるのかという俺の問いに対して、あるに決まってるだろ、と二人が口を揃えて答える。

「なら、しろよ」

「基礎練なんか意味ねえよ」

そう吐き捨てるような二人に、強くなる未来はない。俺は諦め、二階へと向かった。


しかし、ノイルは違っていた。

「……意味あります」

「なんだ?」

「基礎ができない人は、絶対に勝てません!」

珍しく声を張り上げた。

「ああ?雑魚が何言ってんだ?」


ノイルに詰め寄る二人の間に割り込んだ。

「雑魚って……同じDの分際でよく言えたな」

「黙れ、いい気になるなよ」

舌打ちをしながら、二人は宿舎へと帰って行った。


「なんでこうも上手くいかないかな」

ため息をつきながら、ノイルを抱えた。

「歩けますから、離してください」

「それにしても、カッコよかったな、さっきの」

「からかわないでください」

ジタバタと暴れるノイルをからかいながら、二階への階段を駆け上がった。


 あれは、こいつの本心だ。本当に強くなりたいのだろう。だったら、俺に教えられることは全て教える。


トレーニングウェアに着替えて、ルームへと入った。多種多様な機器が並んでいる。

「まあ、技術的なことは追々教えていくから、まずは体づくりだな。好きなの使え」

「わかりました!」

ノイルは全ての機器に目を通しに向かった。


とは言ったものの、そこから十分、ノイルはずっと俺と同じことをしている。

「おい、真似すんなよ」

と笑いながらつっこむと、

「いいじゃないですか」

と、ノイルも少しムキになって反論した。


 そんなやりとりをしながらトレーニングに励んでいると、先輩らがやってきた。さっきまで練習していた人らはおらず、二人だけ。

すると早速、

「アルバート君、筋肉やば!こんな身体してたんだ」

筋肉を褒められることはあまりないので、少し照れる。

「触っていい?」

「はい」

「え、柔らか!筋肉だよね?」

ぐっと力を込めた。

「うわ、固まった」

驚くアネット先輩に、動くための筋肉は、基本的に柔らかいものだということを説明した。


トレーニング中のノイルが見つかった。

「あっ、ノイルも!頑張ってんじゃん!」

案の定、アネット先輩の餌食になった。



それを横目に、シュヴァルト先輩と話を始めた。

しばらく話した後、

「前から思ってたが、何故強くなりたい」

シュヴァルト先輩からの唐突な問いがきた。

「難しいですね……」

何故、と聞かれると答えられない。色々なことが複雑に絡み合っているから、上手く言葉にできない。


しばらく考え、言葉を紡いでいく。

「なんというか、国を変えたいってのが、一番強いんですかね」

「国……というと?」

「今は魔法が一番の指標で、魔法で全てが決まる世の中です」

そうだな、と先輩は頷く。

「でも、そうじゃないってのを見せつけたい。魔法は一つの手段だということを、世間に知らしめたいんです。二百年前の戦争で英雄が国を救い、全てを変えたように。俺も、根本から国を変えたいと思ってます」


俺の壮大な目標に、シュヴァルト先輩は真剣に聞き入ってくれている。


「もちろん、俺の魔法でそれができればいいんですけど、爆炎系だけじゃ到底無理そうなんで、魔導工学でなんとかしようって思ってるんですけどね。いわゆる、パラダイムシフトってやつです」


俺が語り終えると、先輩は笑い始めた。

「世界を救うならわかるが、世界を変えるって。つまり、自分に合わせるってことだろう?」

「まあ、そうなりますね」

「傲慢すぎるだろ……けど、最高だ」

「アルバート君、かっこよすぎ」

聞いていたのか、アネット先輩は俺の背中を軽く叩いた。


「トレーニングしますか」

「だな」

再びトレーニングを再開した。しばらくしてジークも参加し、五人でそれぞれ思い思いに過ごした。


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