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古代技術と爆炎の三流魔道士  作者: Uノ宮
入学編
10/62

動き出す歯車


 進学して、初めて迎える週末。いつもと同じ時間に起きたが、特にやることもないので二度寝することに決めた。


 再びベッドに潜り込んだとき、携帯が鳴り始めた。画面を見る。リーエルからだ。

「リーエル、どうした?」

『俺だ』

リーエルとは違う声に驚いた。

「先生、何ですか?」

『肝心のお前に声をかけるのを忘れてた。部活だ、今から来れるか?』

「わかりました。飯食ってから行きます」

『なるべく早く頼む』

一度携帯を置き、バランス栄養食をかじる。何年も変わらない美味しさだ。


 歯を磨き、身支度を整えた。制服のコートを羽織り、家を飛びだす。徒歩五分の道のりを駆け、二分ほどで到着。だが、この学校は門からが長い。


場所は魔導工学科棟の三階 、俺の教室の上だ。

そこはフロア全体が研究室になっており、魔導工学科の生徒全員を収容することが可能である。


 部屋全体に並ぶ十人掛けのテーブル。その一つに、十人が集まっていた。先生、リーエル、シャル、あとは知らない奴が七人。


 先生に挨拶し、空いている席、リーエルとシャルの間に座る。

「すまんな」

「十人も集まったんですね」

「俺も驚いてる」

七人集が笑う。今の会話のどこが面白いんだよ。


「まずは自己紹介だな。それからアルバート主体で今後の予定について話し合うか」

「アルバートだ、特に言うことは無い、以上」

「アリシア・リーエルです。これからよろしくお願いします」

「ナッカ・チェルシャといいます。お願いします」

その後は七人集が続く。揃って自己主張が激しい。


 名前はシャルの左から時計回りにライノ、クルシュ。この二人は確か同じクラスだったはずだ。続いてスピーク、ピーター、クライブ、トール、エルディ。後半は他クラスだ。

「んじゃ、後はアルバートとリーエルに任せる。俺は前で寝てるから、何かあったら呼んでくれ」

はじめの頃はふざけてるのかと思っていたが、これが彼の素性なのだ。


白い目で背中を見ながら、話を進める。

「お前ら、何したい?じゃ、トール」

おずおずと手を挙げたトールに振る。

「授業とは別に、何かを製作するというのはどうでしょうか」

「いいですね。私は賛成です」

「他にある奴いるか?」

リーエルが賛成した以上、誰も反論できない。シャルは俺に丸投げだし、その俺もリーエルに任せている。


「なら決定か。なら、どう進める」

今度はシャルだ。

「二班に分かれて、互いに競い合うというのはどうかな?」

七人集の顔が曇った。リーエルと離れるリスクは負いたくないらしい。

「それだと偏る恐れがあるよね」


ここに集まったメンバーを考えたらそんなことは無いと思うが。

「僕は、一回目は個人製作がいいと思う。二回目から、それぞれの特徴を考えて班分けしたらいいんじゃないかな?」

「それだエルディ。それでいこう。何を作るかはそれぞれが決めて、判断は先生に。そして二回目の班は一位と二位でのドラフト制にしよう」

まだ納得していない奴がいるが、長くなりそうだからこれでいい。


「ドラフト制?」

ドラフト制という言葉に全員が首を傾げた。

「互いに指名して、同じ人を指名したらくじかなんかで決めることだ」

その説明で、なんとか通じた。そういえば死語だったんだっけ。


先生を起こし、決定事項を伝えた。今日はこれで解散らしい。


 明後日、月曜日から授業が始まる。面倒なことに、一限の初っ端からカルロスとの勝負が控えている。


 リーエルを誘って練習でもしようか。不本意だが負けるよりマシだ。

そう思っていると、向こうから声をかけてきた。

「アルバート君、予定がなければ明日、練習しませんか?」

向こうもその気だったらしい。

「俺もその気だったが、場所はどうする」

一番の懸念材料はそれだ。公園で魔法をぶっ放すわけにはいかない。

「それなら問題ありません。私の家にはそういった設備がありますから」

「そうなのか……」


 明日の九時に学校の前で待ち合わせをし、別れた。人の家に行くなんて、何年ぶりだろうか。


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