驚愕と涙
眩しかった光がおさまり目をあけたらそこは祠の前だった。しかも落とし穴みたいな場所にという「脱け出せるのここ。」と頭の中で考える。頭上からは柔らかい日差しが降り注いでいるおそらく上は森でも広がっているのだろう。
「ここ何処だよ、」
こんな言葉も口にしたくもなる悲しいですよ俺は……。
不意に後ろの方から暖かさを感じ振り返る。
「おうふッ…………見事に輝いてらっしゃる。」
そして、光っている祠の扉に触れてみた…………。
「ッ………なんだよコレは。」
脳内で自分が見知らぬ誰かの目線になって一部始終を見ている。この祠の記憶なのか?だがこのイメージはとても俺としては不愉快だった。
一人の和服のような衣装を身に纏い、その胸元には一冊の本を抱きしめた女性がこちらに振り返る、儚げな微笑みをしてなにかを呟いている…………俺はその言葉に驚愕した。
「貴方をこの滅びゆく世界の片隅でお待ちします。私のことを貴方が………龍之介が見つけて貰えると……だからいつまでも待ちます、私の◆◆◆◆◆。」
何故という疑問も沸くがそれよりも
「俺の名前を知っている?………有り得ない、他人のそら似だそうだそうに決まってる。」
まるで自分に言い聞かせるように繰り返そうとして頬に当てた手のひらに違和感を覚えた。
「俺………泣いている?」
止めどなく溢れてくる雫に動揺している
「だけどあれは俺じゃない………俺じゃないんだ!」
否定するために俺は祠の扉に手をかける。イメージがその通りだとしたらここにいるはずだ。……………………あの女性が。
だけども世界は……時間とはその無慈悲な性格を人の心に決まって向けてくる。
「ウァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ、なんでだ、なんでなんだよ!何故君はそこに居るんだ!」
扉の向こうにはイメージの中で最後に見せた姿のままの……ミイラ化した君の遺体が待ちわびていた。
誰もが望んでいなくとも歯車は廻る。………この男の歯車はあらかじめ用意されたシナリオの中で、足掻き……………もがき…………最後に手にする物のために噛み合ってしまった。
〜〜〜〜例えそれが自分だとしても〜〜〜〜