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憂いの開眼
いつもの扉を開けて
馴染んだ顔に声をかけた
楽しく話していたその日々を
ふと立ち止まって
後ろを振り返ってみる
煌びやかな扉は錆が目立って
馴染んだ顔はホチキスでとまっていた
いつもをたまに思い出す
すると途端につまらなくなる
くだらないことを延々と
仮面も作れぬ偽善者と
悪戯の過ぎた嘘つきと
わがまま
良心のずれ
楽しいことを回って見れば
さほど面白くないものだ
僕らはまた
何故こんなことをしたのかと
同じ疑問を繰り返す
そうして周りは曖昧に気付かぬまま
気付いた者は消えてゆく
化粧に飽きた人間も
仮面を憂いだ人間も
集団とはそういうものだ




