4/10
雨錆びた線路
窓越しの寒さ
春の雨は寒気をもたらし
来るな来るなと拒絶する
僕はまた少し目を閉じて
腰掛けた椅子の振動を楽しんだ
レールの無い電車
古びた赤電車
新しさと面白さ
揺れの微かな乗り心地
つなぎ目のがたごと
床から足へ
椅子から腰へ
錆びた線路のゆりかごで
僕はまた少し眠りにつく
やさしい揺れとやさしい錆び
赤い線路は守る
新しさにないものを
鉄塊を濡らすやさしい雨は
前を隠して覆ってしまう
だけど下から伝わってきた
揺れが線路を教えてくれた
きっと長い時間を過ごしてきて
赤錆びがそれを刻みつける
電車は止まってドアが開いた
僕はまた起きてホームに立ち
線路にお礼を言って去った




